最高経営責任者―ヘッドハンターが選ぶアメリカのベスト企業家50
各CEOについて見開き10ページ分程度設けられており、非常に読みやすい本であった。また、50人のCEOの選考基準、最後にはすべてのCEOに共通する性質などについてもまとめられておりなかなか面白かった。51人目のCEOとしてピーター・ドラッガーのページを設けているところなどもユニークである。
表紙の人物画からも分かるように、選抜されたCEOには最近のハイテク系のCEOが多少多いような気がしないでもないが、読み物としてはなかなかレベルが高く、学ぶことも多いのではないだろうか。特に企業の経営層の方々に読むことをお薦めしたい。
CEO 最高経営責任者
凄い本に出逢った。表紙の4人とは実際に議論させて頂き、ひとりを除いてすべて話を聞いたりケースで深く勉強してきた。彼等から直接受けた影響は計り知れない。それをどこでも手にとれるこの本は人生の指導書となるだろう。
最高経営責任者バフェット~あなたも「世界最高のボス」になれる (ウィザードブックシリーズ)
読めば経営者としてのバフェットの凄さを思い知らされるであろう一冊。バークシャー傘下の企業のトップの経歴やインタビューをまとめたものである。執筆にあたっての力の入れ方や文章の上手さも申し分ない。
経営に干渉しないとか、安く買うとか、事業資質の良い企業を買うとか、そのようなことだけなら他でも色々言われている。本書がとくに際立っているのは、「優秀な経営者が率いる企業を買う」という最も真似しにくい投資行動が、買われた側の言葉として恐ろしく詳しく述べられていることにある。ボスも部下も共に誠実かつ優秀だったら当然のように強力な信頼関係が生まれる。業務のチェックなんてほとんど要らない。事業の資質が良ければ好きなようにやった結果として大きな利益がついてくる。この効果を突き詰めた会社としてのバークシャーの姿が見えてくる。買われることによって被買収企業の経営陣がIRや資本配分に煩わされなくなることの強みもわかる。
本書の多くの経営者からは、「金のためではない」「正直が一番」「顧客の幸せのために」「従業員は家族」「株主への責任を負う」という趣旨の言葉が発せられている。これらの言葉自体はちっとも珍しいものではないが、きちんと達成していることは凄い。大抵の組織なら、正直だったら儲からないとか、客や株主ではなく上司の機嫌重視とか、従業員は切り捨てとか、仕事をするのは偉ぶるためとか、何か大きな問題があるだろうに。