週刊真木よう子 中野の友人 [DVD]
出た!山下監督汁が出まくりの逸品。
極端に台詞が少ないのに、泣かせるあの不思議な世界は
たった30分のドラマにもちゃんと健在。
そして真木よう子は、やっぱり天才的な女優なのだった。
引き潮 (ビームコミックス)
海に浮き輪を抱えて勇んで来た人が、遥か沖にまで波が後退していたのを目撃したような取り残された感というか、でもそこから動くことも出来ないもどかしさとか徒労感がいましろワールドなのかなと思います。眼が悪くなって短篇しか描けないらしいですが、今度は長篇を読みたいです。
デメキング [DVD]
地元で撮影した映画ということで遅ればせながらご紹介。原作漫画がある映画とのことですが、これ怪獣映画です。舞台は1970年瀬戸内の寒村田ノ浦という町で、中2の亀岡ひろしは小学生3人と「田ノ浦探検団」を結成。無為な日々を送る。探検といっても幽霊船さがしごっこのような感じだ。
そんなある日、将来の展望もなく田舎でくすぶっている青年蜂谷浩一とひろしたちは出会う。噂の幽霊船の船倉で出会った蜂谷はここにある鎧兜や刀は「デメキング」を倒す為や、という。デメキングって何?というひろし達は蜂谷にはぐらかされる度にデメキングに関心を寄せていく。
スタンド・バイ・ミーのような夏の冒険を描いたジュブナイルなのか?と思いきや実は蜂谷浩一は誰にも理解されないある秘密をひろし達に打ち明けるというミステリアスな仕掛けが中盤に用意されている。
自分の住んでいる町に怪獣が来て町が蹂躙される。私の個人的に夢のかなった作品。円谷怪獣や東宝怪獣のような自衛隊も大挙迎え撃つという派手な作品でもないし、光の巨人が退治してくれる訳でもない。そういう意味では「LOST」のJ・J・エイブラムスの「クローバーフィールド」に近い作品。なぜなら、最後にひろしは「平成30年なんて自分ら死んでるかもしれない遠い未来や」とこぼす。これはイマジネーション
に問いかけるとても怖い仕掛け。絶望の未来など誰も夢にも思わないというクロージングがデメキングには用意されている。
個人的には、今度統廃合で廃校となる私の母校がフィルムに残ったというだけでありがたいなぁと思いました。ただね、ゴーガというウルトラQに出てきたやつを知る古いファンには、ちょっと嬉しいかな。
定本 宮本から君へ 4
昔20代の頃、モーニング連載時に読んでいましたが、途中(事件の所)で挫折。最近全巻そろえて読みました。
あの頃の熱い思いがよみがえってきました。特に初めて読んだ結末は本当に感動的でした。以来ずっとその後の宮本と靖子のことが気になっていましたが、巻末にある、後日の宮本の書き下ろしを読んではじめて気持ちが落ち着き、すっきりしました。名作だと思います。