The Golden Oldies
もはやこのアルバムはカバーの域を超えていると思う。
小学生の頃、ベストテンの常連だった楽曲が満載で、しかもそれが全然古臭くなくかっこよく仕上がっている。
「勝手にしやがれ」なんか、往年のジュリーファンには、ぜひ福山の歌ったこのボサノバのアレンジで、
もう一度大人のジュリーに歌って欲しいと思わずにはいられないほどの素晴らしい仕上がり。
選曲も長崎に居た頃のバンド小僧だった福山を髣髴させる憎いセレクト。個人的には男の歌う「秋桜」もいいなと思っているし、中島みゆきの「ファイト」も味のある仕上がりで、思わずカラオケのレパートリーに入れてしまった程です。
初めから福山の歌だったんじゃないかなとつい思ってしまうほど気合の感じられる作品です。
大草原の少女みゆきちゃん [DVD]
1985年北海道知床の熊が出没する地で牧場を営む一家と小学1年生の少女みゆきちゃんの1年を追った記録である。 6歳の少女が早朝から牧場の牛の世話や2歳の妹の世話をしながら、毎日往復8キロの山道を夏はクマザサが生茂り、冬は雪に足を取られながら一人で1日も休まず通学した。子供にそのような過酷なことを・・・かわいそうと思ってしまうが、その裏には父母の暖かい配慮が隠されている。
大自然の中で人間として生きていく基本を体験を通して教える父に、素直に「はい」と返事するみゆきちゃんは本当にかわいい。どう見ても明るく逞しく毎日を楽しんでいるように思える。
この作品はTVで放映され、その後「ロッキー山脈を行く」「'90知床編」と続いた。録画し損ねた第1作目のこの作品を探していたところ、先日見つけて早速購入した。30年近く経った今でも涙と笑いと感動をもたらす最高のドキュメンタリーである。
尚、彼女の父、久保俊治氏は「羆撃ち」の著者である。
VOCALIST3
たいして好きじゃなかった、あの曲、この歌さえも
どうしてだろう・・?しみじみ心に沁みます。
力まず、スローテンポに脱力した、歌い方がいいです。
疲れた熟年の心と体を癒してくれます。ありがとう。
徳永英明という、はげしく個性声のアーチストが、年齢を重ね、
病も乗り越えて、まだまだがんばろって、わたし達に歌ってくれるのは、懐かしい曲。
どれもこれもイイ歌になってます。ひかえめなアレンジも、気配りです。
秋日和 [DVD]
みなさん、ご存知のことと思いますが、小津監督の作品の登場人物は、みんなカメラのほうにまっすぐに正対して話しかけてきます。
その笑顔、表情が、あとからあとから懐かしく、いとおしい時間のように思えてきます。
小津さんの映画は、最後にはいつもなにかがなくなってしまう映画なものですから、なおさらいとおしくて仕方ないのでしょう。
日本の、すでになくなってしまった時間。日本的な美しさ、気品が、小津さんの作品にはいつまでもいつまでも写し取られています。
なくなることのない、永遠の日本の宝だと思います。
VOCALIST 2
徳永英明さんは、本当にVOCALISTなんだと実感させられる作品。
声質・性別が違う方のために書かれた作品なのに、全く違和感がなく、自然に彼が描く作品の世界に入り込める。
全体的におさえられたシンプルなアレンジになっているが、この事でVOCALをじっくり堪能でき、耳に心地よく響く。
親しい友人だけが集まった時に、近くでさらっと口ずさんでいるのを聴いているような感覚。
それがかえって、彼のVOCALだけでなく、曲の良さまで再認識させることになる作品。
このアルバムに出会えてよかったと思う。