ボーイズン・ザ・フッド [DVD]
映画の内容はスパイク・リーの「ドゥ・ザ・ライト・シング」に似ていましたが、頭カラッポで共感出来ない登場人物ばかりそちらよりずっと良かったです。
人種差別に対して「闘え」ではなく「賢くなれ」とここの映画では説いています。
無軌道に見えるギャングでさえ自分の「正しさ」や「未来」について考えを持っています。
「何が選べるか」そして「何を選んだか」でそれぞれの未来へと進んでいきます。
まだ若い頃のアイス・キューブが出演していますが、ラストあたりの彼の演技や表情にグッと引きつけられるものがありました。
暴力、平和、差別、教育、宗教、生命、成長など深いテーマも込められた映画。
同じ時間を使うならば「ドゥ・ザ・ライト・シング」よりも断然お勧めです。
ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ(フィルム・テレシネ・バージョン) [DVD]
ヴェンダース監督が撮ったドキュメンタリーものの中では最高傑作だと思います。ずべて実在のキューバの音楽家たち。ライ・クーダーが偶然発掘しなかったら、そのまま埋もれていたかもしれない人たち。老いても衰えない歌唱力やピアノ演奏、というより老いてむしろ個性が際だったのだと思います。「いつになったらカーネギーホールで演奏できるんだ?(という内容のセリフ)」「言葉さえわかれば。これからニューヨークで仕事したい!(と言う内容のセリフ)」人生に自信をなくしそうなときに是非見て欲しい映画です。また、60歳以上のの方にぜひおすすめです。泣けますヨ。
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ【字幕版】 [VHS]
キューバ音楽を好きな人にはもちろん楽しめるんですが、私は主役のミュージシャンたちの人生を描いたドキュメンタリーだと思っています。
タバコ、音楽、恋、裏通り、友人たち、生活の困難…高齢でもあり、経済的にも必ずしも豊かでない、かの地の人々の人生が、なぜあれほど輝いて見えるのか不思議。ひるがえって、不況とはいえ経済的にはまだまだ豊かな、この地の、私たちの人生って何だろう…と思わせられ、胸が締め付けられた。
不思議なことに涙もろい私のほかにも泣いている人が結構いた。それも気のせいか中年以上の男女に。別に泣かせるような映画じゃないんだよ。
世界の果てでも漫画描き 1 キューバ編 (創美社コミックス)
テルマエ・ロマエでヤマザキさんのファンになりました。最近のエッセイマンガは作者の身の回りの事件や人々を扱ったものに秀作が多いですが、これはいわゆる「普通の道」とはかなり違った道を通ってきた話が聞けます。キューバの1990年代初頭の庶民の生活の様子の記録と見ても参考になります。付録的についている初期の作品も美術作品修復の専門知識が入っていて面白いです。
ガーシュウィン:作品集
ガーシュウィンの名曲が幅広く楽しめる一枚です。ガーシュウィンと言えば”ジャズとクラシック”の融合といった曲を作ったイメージの人ですが、そんな先入観はすぐに関係なくなるでしょう。正しい例え方は、聞き手を幸せにする作曲家!(当然の命題ですが)って感じです。ラプソディ・イン・ブルーやアイガットリズムを聞いて笑顔が出ない人はそういないはずです。
バーンスタイン&ニューヨークフィルにはもうすこしいい演奏がある為、このCDがベスト盤とは言いがたいですが、ガーシュウィンの世界に触れるには十分すぎる一枚です。
あぁなんかまた聞きたくなってきたって事で、今夜はサマータイムを聴いておやすみなさい・・・