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重松清「愛妻日記」より ホワイトルーム [DVD]
この手の作品としては、そこそこよくできていると認めざるを得ない。ただ、好きか嫌いかと訊かれると、生理的に嫌いである。旦那が最後にやった「嫁の心を解放?する」やり方や、劇中AVにあった、××の写真を見せる...には吐き気をもよおした。
この女優さん、舞台で見ると綺麗な人なので、もっとちゃんと撮ってあげればいいのにと思った。それから、彼女に言いたい。こんな体の張り方は不要だと。あなたはこんなのに出なくても、十分やっていける人です。自分を大切にして欲しい。
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TOPARCH
アコギがメインの温かいエレクトロニカです。
少しずつ音が積み重なっていって生まれるグルーヴ感がとても心地良い。
(LIVEではひとり多重録音で見事なまでにそれが再現されます。)
「邪魔にならない」音楽は多数あれど、
「まわりの環境音を取り込んで曲の一部にしてしまう」音楽というのは初めての感覚です。
暑苦しいセミの声も、騒がしい誰かの声も、秋の夜長の虫の音も、
曲を構成する音のひとつになってしまう。
朝昼夜、春夏秋冬、まわりに合わせて、すべての時間帯・季節の音になります。
家の中はもちろん、散歩にも持ってこいのエレクトロニカ。
外の音が聞こえる環境で聴いてみて欲しいアルバムです。
ボーナストラックのI am robot and proud及びausによるリミックスも
それぞれの作風が出ていて良いです。
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その日のまえに (文春文庫)
「死」をテーマにした本では感動しない。
ましてや落涙することなどありえないと思っていた。
なぜなら、「死」は特別なことではなく、誰にでも訪れる。
死なない人間など存在しないからだ。
当たり前のこととして「死」を受け入れることが出来るから、
「死」をテーマにした本では感動したことがなかった。
そこで、本書である。
私は、情けなくも、通勤電車で本書を手にして、涙を流していた。
泣くために本書を手にしたのでは決してない。
それは不意に訪れたのだ。
231ページから232ページを読んでいたとき、
不覚にも涙してしまったのである。
なぜか。
それは、私にも子供がおり、
「遺される子供」に思い至ったからだろう。
このページに書かれている子供たちの姿は、少なくとも私にとってはいい意味でショックだった。
子供を持つ人が読めば、あなたの琴線に触れること間違いない。
しかし、重松清はうまい。
そして、本書は歴史的名作だと思う。
「その日」関連の章もいいが、「潮騒」だけでも十分満足させられるだけの名作である。
これから本書を手にする方は、心して読まれたい。
不意に揺さぶられますよ、心が。
文庫がでたら、それもきっと買うだろう。
「文庫のためのあとがき」を読むためだけに。