ポラリスの涙 (初回限定盤)
前作の様なガツンとしたロックサウンドも好きだけれど、彼等の最大の魅力はこの独特の繊細
さと柔らかさにある様に思う。
こんなにもセンチメンタルで叙情的な歌詞が書けるなんて、そしてそんな曲を聴けるなんて…
空・風・心・蜃気楼・きみ…
音速ラインにかかると何気ない風景1つ1つが、魔法にかかったように優しい色を持つ。
あわただしい日常に追われて、なんだかちょっと焦りすぎているのかもしれないな。
そんな事を思う日は、彼等の音楽に触れよう。
ゆっくりと深い呼吸が出来るから。
NHKテレビアニメーション テレパシー少女蘭 オリジナルサウンドトラック
他の映像でも合わせられる汎用性のあるアニメサントラでは、一つのメインテーマとなる旋律である程度雰囲気を統一させ、そのアレンジ楽曲で構成していくという、いわゆる映画やTVドラマで多用される楽曲構成が多くあります。対照的に場面やキャラクターに合わせた楽曲を多数作るというのもあり、こちらはアニメサントラでは一般的な手法といわれています。
この2つの音楽構成のうち、場面や心情を表現する場面では前者、緊張する場面やコミカルな場面では後者が、とライナーノーツでは述べられているようですが、ちょっと疑問符がつくように私には感じられます。もともと、2分程度の楽曲が多く、アイキャッチやサブタイトルといった短めの楽曲を作らず、場面全体の雰囲気を複数に絡めて旋律を重ねていった感じに仕上がったという印象だったりします。ただ、その起点となる主人公の蘭のテーマの旋律ができるまでに結構時間がかかったようです。それだけに、蘭のテーマは印象的な旋律を作り出せており、それに沿うように他の楽曲も紡ぎ出されたという感じがします。
蘭のテーマとそのアレンジ楽曲は比較的ゆっくりだが軽快なのですが、それ以外はリズム的にはゆったりと進んでいくものが多かったりします。このため、思ったよりもキャッチィに楽曲を響くものにはなっていないので、引っかかりが少なく、すんなりと流れて聞こえてしまっています。この作品の楽曲としては適切なのですが、心地よすぎて印象に残りにくく思ったりします。