ビフォー・アフター
いつも番組を見ていますが、このCDの11番「TAKUMI/匠」を聴いているだけで、リフォームが終わった家に帰ってきた依頼者の、溢れんばかりの笑顔が目に浮かびます。必聴。
何か詞をつけて唄にしてもいいような。
バルトーク : 管弦楽のための協奏曲 / ヤナーチェク : シンフォニエッタ
村上春樹『1Q84』の冒頭から登場するアルバム。
ハンガリー人とスロヴァキア人のハーフの指揮者、
ジョージ・セルが子飼いのクリーブランド管弦楽団を振っている。
モラヴィアの作曲家ヤナーチェクの「シンフォニエッタ
=小交響曲」は、少しも交響曲ではない。
ソナタ形式/三部形式/ロンド形式の楽章が無く
編成も通常のオーケストラの背後に
トランペット9本・バストランペット2本・テナーチューバ2本
が控え、トランペットだけで合計14本と異色である。
(もともと体操協会の開会式用ファンファーレなので
仕方がないのかもしれないが)
ファンファーレ主題は明るく、モラヴィア民謡から採られたメロディーは
どことなく東洋的で我々にも親しみやすい。
しかしこの明るさが、なぜ『1Q84』の冒頭に繋がるかは謎である。
オイストラフ/ソナタ・コンプリート [DVD]
名ヴァイオリニスト、オイストラフの貴重なTV映像を収録。3部構成で、全てVnとPの2重奏です。曲目は、第1部(ピアノはV・ペトルシャンスキー):シューベルトの二重奏曲、ベートーヴェンのソナタ第7番、プロコフィエフの5つのメロディ(第4曲、第5曲)、ラヴェルのソナタ(第1楽章カット)、ドビュッシーの「月の光」、ブラームスのF.A.Eソナタ(スケルツォ)、第2部(ピアノはリヒテル):ブラームスのソナタ第2番、バルトークの同第1番、プロコフィエフの同第2番、シューベルトの二重奏曲第3楽章、ベートーヴェンのソナタ第1番第3楽章、第3部(ピアノはF・バウエル):メシアンの「主題と変奏」、ドヴォルザークの「マズレック」、シベリウスの「夜想曲」、シューベルトのヴァルス・カプリース(オイストラフ編)、ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」。
全てモノクロでテレビカメラによるビデオ録画、第1部は1965年、他は1972年の収録。画質はあまりよくないです。音質は悪くありませんが、ところどころに乱れがでます。ただし、演奏内容についてはいずれも充実しており、特に第2部はリヒテルとの競演で、画質・音質のハンディをものともしない熱演でした。この競演は、同時期の(あるいは本DVDと同一の)演奏がCD発売されており、演奏だけを聞くならCDの方が当然よいのですが、やはり映像には映像にしかない迫力や迫真性があります。変な言い方ですが、ちょっとしたサスペンスを感じさせるような緊張が伝わってくるのです。本当に貴重な映像記録と思います。オイストラフのファンの方には「ぜひ」付きで推薦します。
なお、本DVD収録演奏のうちブラームスのソナタ第2番とシューベルトのヴァルス・カプリースは以前、「オイストラフ・アルヒーフ」という2枚組のLDに収録されていたのと同じものです。これらについては、厳密な比較は行っていないので印象だけの話になりますが、DVD化に伴う画質や音質の向上は感じられませんでした。
ヤナーチェク:シンフォニエッタ&ルストラフスキー:オーケストラのための協奏曲
『1Q84』人気で、本CDも再プレス盤が既に出回っている。
なぜか、Amazonには在庫が無いようだが…他サイトでは今なら新品が注文できるので、ご確認あれ。
演奏内容は、何といっても小澤征爾がまだまだ若い頃(ボストン交響楽団の音楽監督に就任する3年前)の録音であり、才気に走りすぎた感もある。
しかし、名門オケを任されて以降の小澤征爾は、考えすぎ慎重になりすぎる傾向が感じられるので、この時期の若々しい指揮ぶりは貴重。
トロント響との『トゥランガリーラ交響曲』や、パリ管とのチャイコフスキーの交響曲第4番などと並んで、“小澤が一番面白かった頃”の代表盤と言える。
バルトーク:弦楽四重奏曲第2,3,6番 [DVD]
バルトークの四重奏曲も本当に古典になってしまったのだなーと感じてしまいました。2,3,6番の収録ですが、インタビューの合間に4番のあのピチカートの楽章も全て演奏されています。(これが結構面白い。儲けものです。)画質が鮮明で妙に生々しいです。気を抜いて観てしまうと、うっかり始めから最後まで観てしまいそうです。くれぐれもご用心。この引き寄せられかたは、B.モンサンジョンの関わったグールドのゴールドベルク変奏曲のDVDにそっくりです。あれも、なにか観てはいけないものを観てしまったような気がしながら、それでも最後まで目が離せない不思議な魅力がありました。勿論、このSQの演奏そのものも文句無く素晴らしいです。昔の(旧メンバーの)タカーチSQよりも圧倒的に上手いです。