イン・ザ・プール [DVD]
三木聡監督、松尾スズキ主演!これだけでも充分に観ようという気にさせられる1枚ですが、松尾スズキの突き抜けた演技にずっと擽られっぱなしでした。
「クサレ売女!」の暴言を嫌味なく(?)笑ってしまう気持ちよさで言える数少ない役者さんだと思います。
オダギリジョー、田辺誠一、市川実和子などの役者さんも、それぞれ病を抱えながら暗くなりすぎず日常を持って生きている感じがして、くすぐられます。
また、それぞれの上司役の人もゆるい感じが活きていてぴったりとはまっています。
噂の女
本当、「タワケ」!
「噂の女」美幸にいつの間にか振り回されている男たち。
読んでいて、あるある!と思う所しばしば。
で最後の終わり方は、まさに奥田さんらしい痛快でした。
実は泥臭いんだけど、なんだかすっきりしましたよ♪
オリンピックの身代金(下) (角川文庫)
今、まさに読んでます。「上」は最高に面白かったです。奥田先生は全作品読むつもりで順番に読破しております。「またか」って思いそうで、思わない独特の展開に嵌ってます。「無理」「邪魔」「最悪」とは異なる感じでありながら「奥田節のエッセンス」は健在で、引き込まれます。あと50ページ程で残しておりますが、通勤の電車内での読書が半年も続いているのは奥田先生のおかげです。他の作者にも愛すべき先生方は沢山居ますが「奥田節」はこれからも楽しませてもらいます。「国男!!気持ちは判るよ」とだけ言っておきます。
空中ブランコ (文春文庫)
「イン・ザ・プール」に続く伊良部先生の診察室第二弾。相変わらず笑える。患者の症状は前作の方が面白い(例えば「勃ちっぱなし」)が、患者達のキャラクターは本作の方が上だろう。中でも「女流作家」という作品は、著者自身のまじめな気持ちが入っているようでかなりテンションが高く、前のめりになりそうである。この作品にチョットだけ登場し貶されている作家の奥山英太郎は間違いなく著者自身のことである(収入以外は…)。
この作品が凄いのは、現代の日本人が抱える心の問題を描いているにも拘わらず、それをそのまま描くのではなく、レベルの高い「笑い」にまで転化されているところなのだろうと思う。さらに、現実にはいそうもない伊良部先生に「私(僕やオレ)もこういう風に治療されてみたいなぁ」と思わせるという意味では、『リアルな大人のおとぎ話』のようにも思える。
笑えすぎる作品なので、なんだか「直木賞」受賞作に思えないような気も一瞬したのだが、文藝春秋社の創設者で直木賞と芥川賞を考案した作家の菊池寛が「作家が書きたくて書いているものが純文芸(芥川賞)で、人を悦ばすために書いているのが大衆文芸(直木賞)だ」と書いた(言った?)のを思い出してみると、この作品はやはり直木賞に相応しい。