ロンバード街 (日経BPクラシックス)
岩波文庫が戦前に出した宇野弘蔵訳はとても読めたものではなかったので、この新訳は評価したい。日銀を批判する人も擁護する人も、最低限、この本を読んでから議論してほしい。バジョットの時代のイングランド銀行(宇野訳では英蘭銀行)も、21世紀の各国中央銀行も、思った通りに経済が動かないことに悪戦苦闘して手探りでやっている。中央銀行におけるトップの役割の重要性については、フリードマン&シュウォーツ『大収縮1929-1933』を読むべきだ。
ロンバード街―ロンドンの金融市場 (岩波文庫)
出版されてから随分経ちましたが、未だに当時のイギリスの金融市場を分析、解説した本が見あたらないので本書が幾度も再販されている証拠なのでしょう。難点としては判型が未だに旧字体で書かれているので読むのに一苦労かも知れませんが慣れればそうでもありません。日本語で書かれていいるわけですから。宇野弘蔵が東北帝大に在任中に訳出した本です。
ライブ・アット・リッツ
88年リリース。この頃ロン・ウッドとボー・ディドリーは一緒にツアーを行っていたが、このアルバムはNYでのライブを収録したものである。
いつものロン・ウッド、いつもの御大が、いつものように、いつもの曲をといった感じで、リラックスしながら、一緒に楽しそうに演奏しているようすが手に取るように分かる、聴いている方も楽しくなってくる。どちらかが主役ということではなく、どちらも主役である。『共演』っていうのはこういうのを云うのだと思う。このライブがあった当時、御大は60歳くらいだったはずだが、張りのある声は全く年齢を感じさせない。
88年3月には来日公演も実現しているが、この頃は、今は亡き「どんと(ボ・ガンボス)」がボー・ディドリーに対する敬愛の念を様々な場面で語っていた時期でもあり、彼の音楽性が再評価され始めた頃でもある。“どんと”とボーの交流、ボーに対する日本での再評価によって来日公演が実現したのかもしれない。
頭がいい人、悪い人の話し方 (PHP新書)
こういう話し方、態度の人はこっけいだよ、という事例を集めている。体系的な整理ができているわけではなく、思いつくまま並べたように思える。事例の中に「根拠を言わずに決めつける」「ケチばかりつける」「少ない情報で決めつける」というのがあるが、この本の内容自身があてはまるのでは?と思ったりもした。
ただ、ナンシー関さんのようなひねりがあれば、一つのぼやき芸、おちょくり芸として成立するのかもしれない。
身代金 [DVD]
スリリングな展開で冒頭から〜ラストまで一気に見ごたえあります。
クセ者俳優(女優)陣でかためたこの作品、秀逸です。リーサルコンビ、
ホーンティングのリリ・テイラー、XメンZEROのL・シュライバー
(この頃チト痩せてた)(笑)でもやはり、G・シニーズでしょう。
この人のイライラした感じのニガ笑いはサイコーです。あわれ仲間
たちは裏切られ、ボスの女でもあったリリは敢え無く打ち死にしました。
(足も折れ曲がり悲惨)犯人たちのズルイ卑怯な取引に、息子の身を案じる夫婦。
途中から息子を犠牲にしてでも身代金から〜懸賞金に変え、犯人たちに不利益な
プレッシャーを与えるところはさすがと拍手ですが、電話から聞こえた
銃声に驚き、奥さんに責められるメルさん。その後屋上でひとり悩み
泣き崩れるあたりはやはり人の親ですね。感動です。最後は路上で
ラスボスと大乱闘。やった〜さすがはマッドマックス健在です。