いままでありそうで無かったタイプの箱庭系シミュだ。
鉄道系の経営ゲームに似ていて運送会社を経営だけするものである。
その点「自分で運転もする」18Wheels系とは違う。
内容はトラックを買い、そのトラックのタイプに応じた運転手を雇って割り当て、タイプに
応じた契約を割り当てれば契約内容にしたがって勝手に荷物を運びはじめる。
また契約を完了すれば自動的に自社に戻ってきて整備を受ける。自社内では整備員や
事務員を雇い、業務設備などを購入する。あとは事故に備えて事故処理車両を
購入しておくなどだ。
一定の契約をこなすと荷主企業の自社に対する格付けが上昇し、高額や大口の契約が
取れるようになったりする。逆に契約条件に無理な車両を割り当てたり(重量不足、
速度不足、故障多発で納期に間に合わないなど)、整備をまめにしておかないと
故障する確率が結構上がる。(またどの荷主も入口が対向一車線で中に車両が
いると渋滞が発生するあたりはやりすぎというかひと工夫欲しかったところだ。)
さらに残念なのは、その先は契約が切れた車両への新しい契約を割り当てたり、
トラックや運転手、車庫を増やしていくというのがルーチンワークとなってしまい、
そこでこのゲームに対する「見極め」が発生するプレイヤーも多いだろう。
もちろんキャンペーンやシナリオはそれなりに用意されているが、クリアする条件が
異なるだけでプレースタイルはあまり変わらない。これをどうとるかで評価が変わるだろう。
ただゲームとしてだけでなく。シムシティのように箱庭的な「町を育ててニヤリとする」
という遊び方も出来るので、そういう堪能の仕方もあるだろう。ただし契約はすべて
手動なので更新のたびに操作が発生するので、自動運営などは出来ないようだ。
スペックを満たしている限り、プレー中の不具合はほとんどない(にちゅんねるでは多少
報告されている)ので出来栄えは良いと言っていいだろう。
目的を達成ても、いくらでも遊べるゲームでした。
自由度が高かったのが大きい理由でした。
深い穴や、コースターを通す為にできてしまったトンネルを埋めることは難しかったです。
カメラアングルが難しく、外から見れば死角に、内からみれば超至近距離にカメラが行ってしまうのです。
Rollercoaster Tycoon 3 Deluxe (PC) (輸入版)
経営シミュレーションでは一番好きです。
ただアトラクションを設置するのではなく、コースターの周りを建物で囲いビックサンダーマウンテン風にしたりと、個性的な遊園地がデザインできます。
花火なんかもプログラムを組んで打ち上げたりと、それだけでも楽しいです。
正規にVistaとWindows7に対応しているのもいいところ。
古いゲームなので、フル3Dとは言え最近のパソコンならサクサク動くと思います。
スペックは面倒なんで書きませんが、4万で買ったノートPCにシムズ2のデータセットをフルに入れた状態。シムシティ4やホームページビルダーなんかも入れた状態で、普通にTVゲーム並みにサクサク動いています。
ラスト・タイクーン (角川文庫)
序盤に出てくる飛行機とか老俳優とかはその後には出てこないし、語り手セシリアの視点も途中でずれてくるというか、作者がときたま顔を覗かせているように感じるのはやっぱり未完の遺作だからなのかなあ、と初めて読んだときにはちょっと驚いた。
それでも、それらは作品において重要なモチーフであって、後にどういう役割を果たす(予定だった)のかが末尾のノートに具体的に書かれているし、作家が物語をどうやって紡ごうと考えていたのかを、不完全ながらでも辿ることができるのは興味深い。
『グレート・ギャツビー』を引き合いに出すまでもなく、著者の調子がいいときにいかに素晴らしい文章を書くか知っている者は、これが完成していたらどんなによかったろう、と思わずにはいられないだろう。よく練られた構成、主題の対比、語り手の視点、そして自身はついに最後まで映画界から「他人」であり続けたヒロイン……しかし、ここで未完に終わってしまうところもまた「フィッツジェラルドらしい」と言えないこともないのではないかというのは、あくまで私の感想です。
ラスト・タイクーン [DVD]
初公開時に映画館で本作を観ました。地味な印象でハリウッド映画特有の派手さを感じられませんでした。以降、本作はソフト化ならず。ビデオ、LD。テレビ放映すらなかったように思います(たぶん)。自分のなかで幻の映画、死ぬまで観ることはないと思っていたのでDVD化は驚きです。公開から34年。地味な印象は変わりませんが裏で製作者と監督の葛藤があったとのこと。監督のエリア・カザンは主演に抜擢したデ・ニーロを高評価。製作者のサム・スピーゲルはデ・ニーロをけなし続けたそうです。デ・ニーロが主演を決めた理由は監督がカザンだからです。かつて、アクターズスタジオ出身のブランド、ディーン等を育てた彼の作品に出演する。デ・ニーロにとって、それはステップアップの機会でした。神童と言われた伝説のプロデューサー、アーヴィング・タルバーグがモデル。30年代。役名はモンロー・スター。彼のビジネスと恋を描きます。亡き妻に似たキャスリーン。演じるイングリッド・ボルディングはファッションモデル。本作は映画としての面白みに欠けました。彼女のミスキャストが要因と思います。魅力薄でスターが入れ込むほどに見えなかった。ボルディングはこれ1作で女優を辞めてます。原作も読みましたがフィッツジェラルドの小説は映像化が難しいのですね。ジャック・ニコルソンとの競演や豪華キャスト。見所満載のはずでした。ただ、テレサ・ラッセルは良かった。スターに片想いする娘。スターの天敵が父親。献身的に彼に接します。34年ぶり。いま観ると地味さが作品を引き立ててます。デ・ニーロは『タクシードライバー』と『ニューヨークニューヨーク』の間にスターを演じました。控え目な演技は意図的です。特典映像一切なし。吹き替えも予告編もありませんがよくぞソフト化しました。高評価できます。