ハードコア・ウィル・ネヴァー・ダイ・バット・ユー・ウィル(初回生産限定盤)
レヴューが少ないのは今の彼らの立ち位置が微妙な故でしょうか。当方、彼等の熱心なファンでは決して無いがコンパクトにまとめた曲が大半を締め、ラストにはお得意の長いトラックで終わって行くという非常にバランスの取れた良作だという印象を持った。でもハードコアなリスナーには今の彼等の音は大人し過ぎるかもしれないし、一般リスナーには相変わらず少し敷居が高いのかもしれない。アルバムジャケットから漂う寒々しい冬の中、浸るにはもってこいのアルバムかもしれないよ。
Hardcore Will Never Die But You Will
間にライブ盤を挟みつつ、約2年半のスパンでリリースされた通産7枚目のスタジオアルバム。初聴時には「これまでで一番MOGWAIっぽくない!」作品だと感じたが、繰り返すうちにあぁやっぱりMOGWAIだと思えてしまう、その世界観はものの見事に健在。
特に"HAPPY SONGS"あたりで印象的だった感傷的な単音の鍵盤フレーズとはまた異なり、今作ではベッタリと平面的に敷かれるKeyフレーズが各所に目立つ。ときに宗教音楽のようにも、無機質なビープ音にも響くそれを下敷きに、それぞれに表層を変えたコンパクトな楽曲が並ぶ。
歪んだベース主導のドライヴ感のある楽曲や、ヴォコーダーを通したボーカル入りの曲、あるいは柔らかな昂揚と共に白光色の彼方へ昇っていく楽曲など、それぞれにフックが効かされた楽曲群。そのためか、前作以上に各トラック個別の独立した感が強く、アルバムトータルでの押し出しは弱く感じる。この辺で評価が分かれる気もするが、個人的にはアンセミックな楽曲不在の物足りなさを感じこそすれ、耳障りの良いバリエーションに富んだ轟音ナンバーの詰め合わせ、といった内容は素直に気持ちよく、悪くないと思った。
Young Team
人のあっという間の人生を音で表現したような楽曲だと感じます。mogwai fear satanは、いつ、どのような気分でも聴いても心が震えます。自分の人生もこんな楽曲のように力強く、美しく、切ないものにしたいと思ったりします。ノイズ、ギターの音圧が凄いので、穏やかなロックが好きという方は気に入らないかもしれません。逆にエモーショナルなハードコアやパンクが好みで、所謂ポストロックは聞かず嫌いという方、またポストロックは初心者という方には入門として最適のアルバムなので、是非ともチャレンジしてほしいです。本当に素晴らしい音楽です。