ペリカン文書〈上〉 (新潮文庫)
勧善懲悪、ハッピーエンドの物語です。スリルとサスペンスが続きおもろしく
読めます。ただ終わった時に何も残らない気がします。
エンディングにどんでん返しがあるか期待しましたがありません。
Darby ShawがThomas Callahan(大学教授-交際相手)を思い出し涙ぐみますが、
どれだけ愛していたかはっきりしないし、Gray Grantham(新聞記者)をなぜ
あとから好きになったかもわからない。エンタテインメントだけを求めて読むなら
いけますが心理描写が今ひとつです。
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2回目の視聴での感想。
ほとんど記憶にないほど忘れてはいたが、
開始1時間ほどは謎のまま人が殺され主人公は追い詰められと
訳がわからんままではあるが、それがかえって「どうなるんだ?」
という興味を維持し全く飽きることなく鑑賞できた。
そして謎の答え、すなわちどうしてジュリアが追われるのかわかると、
それまでモヤモヤした状態から一気に物語の深部に引きずり込まれ、
長尺にもかかわらず間延び感もほぼ皆無でラストまで瞬きする暇なく観ること受け合いだろう。
よくできたサスペンスだと思う。
ジュリアの演技は多少緊迫感に欠けるようにも思えるが、
デンゼルの好演がそれを補う感じに見えるので相殺かな。
下手なラブシーンがないのもいい。
ただ2人での証拠集めやら敵からの逃亡は、
前半に比べ急激にご都合主義的に走り緊張感が緩んでいると思う。
落とし所で冒険してもよかったのでは?
The Firm
私は、John Grishamの作品をA Time To KillからBrethrenまですべて読んできたが、やはりこの作品が最高に面白い。新人弁護士が破格の待遇で、ある法律事務所に雇われるが、そこでは過去に何人も不審な死を遂げていた。そしてその真相を知った主人公は、マフィアとFBI双方から追われることに。最初から最後まで息詰まる展開の中、マフィアにもFBIにも屈しない主人公の知恵と行動力には胸躍らされるものがある。まさに読み出したらやめられない、スリル満点のサスペンスである。ところが、映画では、ストーリーの一部が改悪され、原作に比べつまらないものになってしまっている。マフィアの圧力でもあったのかと勘ぐりたくもなる。Grishamの作品の中では、このほかThe Pelican Briefがお勧めである。英語は平易で読みやすい。
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ジュリア・ロバーツとデンゼル・ワシントンの共演ということで、期待してみたのだが、脚本も編集も、今ひとつ。
ホワイトハウスが絡むスケールの大きな「陰謀」ものだが、複雑な登場人物の内容の割には、物語の構成が単純。また、ご都合主義の内容と登場人物の区別がつきにくいため、観ている途中で、少々だらけてしまう。
大物の主役二人はさすがに魅せるが、それ以外の脇役に魅力が無いのも残念。
なぞの目撃者 (少年弁護士セオの事件簿)
児童書として書かれた作品ではあるが、大人でも十分に楽しめる作品。とりわけ難解なトリックやあっといわせるどんでん返しはないものの、詳細で丁寧な描写により読者を飽きさせない。
一方、物語最後はやや物足りなさも。次巻に続くのかは分からないが、あと30頁くらい増やしてもよかったのでは。