Silver Streak [VHS] [Import]
ロサンゼルス発シカゴ行きの大陸横断超特急「シルバー・ストリーク号」に乗ったジョージ・コールドウェルが、隣の客室の女ヒリーと、いいムードになったのも束の間、殺人事件に巻き込まれ、危険な冒険に右往左往するというサスペンス・コメディ作品。原題は『Silver Streak』。1976年のアメリカ映画です。
ヒッチコック監督の傑作『北北西に進路を取れ』のようなスリリングなはらはらドキドキ感、サスペンス感こそありませんが、コメディ映画としての面白さはなかなかのもの。何度か列車から放り出されながらも、ヒリー(ジル・クレイバーグ)を救出すべく、しぶとく犯人一味を追いかける主人公ジョージ(ジーン・ワイルダー)のとぼけたおかしみをはじめ、リラックスして楽しむことができた好作品。
《音声:日本語》で見たのですが、ジーン・ワイルダーの声を演じた広川太一郎と、恋人ヒリーの声担当の小原乃梨子がナイス、ハマり役。とりわけ、広川太一郎の声の演技(?)にうま味があって、引き付けられました。
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この「大陸横断超特急」という映画は、劇場で見たことはない。では、どこで見たかといえば、「テレビ放映」の吹き替え版でだ。
そう、この映画は、「吹き替えシネマ」として、自分の思い出に残る作品だった。芸達者な「声優」さんが、原作以上におもしろくしようと奮闘して作られた、いわば「別作品」なのに.....
現代の基準と相容れないという理由で、「吹き替え」で見ていても、該当箇所に来ると強制的に「字幕」に変更されてしまう。このような「吹き替え作品」を踏みにじるような行為をしていおいて、さも本件においては「吹き替え」を当時の俳優のままで楽しめるかのように宣伝するというあざとさは、いったい何のつもりだろうか?
原語の「字幕」が本格派として尊ばれ、「吹き替え」が軽んじられて、自主規制に外れるからといって、容赦なくその部分をカットしてしまうという、その作品を冒涜する姿勢はいったい何様のつもりなのだろうか?
ほとんどの吹き替えをカットして販売するのなら、最初から「字幕」だけとしておいてくれた方が、買う側も納得できるだろう。
当時の声優をフィーチャーしているから、この作品には「廉価版」であっても非常に重要な位置づけがあったのに.....非常に残念かつ憤懣やるかたない。