星を継ぐもの 4 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
すみません。すべってます。
一応原作の流れを作っているが、最後に激突するはずの組織の設定が出来上がっていない。おかげでキャラクターの個人プレーになってしまい、終盤の戦いが、古き良きハリウッド映画になってしまった。
小説版のときもこの辺の戦いは、未完成と感じたが、コミックも原作を逸脱するわけにもいかず、かといってアイデアもでなかったと思われる。最後の星野氏らしい、唐突な蹴りがそれを物語っている。
そもそもチャーリーとコリエルの話だと思うんで、この構成でもいいのかもしれないし、彼らのオリジナルの結末も良かったんだが、全4巻の短いスパンで急に内容が変わるのはさすがに違和感がある。
正直な話、謎も解けたし、チャリコリコンビもオチが付いたし、まあいいか。という、さじなげが見えた。
終結を急ぎすぎた。もう一巻分ぐらいあったらと思ってしまう。
星を継ぐもの 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
2001夜物語の手腕で、この3部作をどう料理してくれるか、楽しみにしていました。
第1巻読了の第一印象は「飛ばしすぎ?」
全部で何話にまとめる予定なのか分からないが、原作のイメージで散々映像を思い浮かべていた側としては、少々物足りないです。
映像化して欲しかった1番の小説だったので、とりあえずは、最終話まで見ます。
映画化して欲しい。
THE SEA OF FALLEN BEASTS 滅びし獣たちの海 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
よく諸星大二郎と比較される。お互い、それは意識しているらしく、星野が諸星の家を訪問した際に、自分と同じような蔵書が並んでいるのを見て苦笑したというエピソードは有名だ。
ただ、この二人は画風は両極端といってよい。諸星の絵は手塚治虫をして、「彼の絵だけは真似できない」と言わしめたデビュー以来変わらぬ、ある意味で一生完成しないような画風であり、独特な魅力を持っている。
一方、星野之宣の絵はデビューの頃に既に完成されていたと思う。端正でリアルな絵、そしてスケールの大きなストーリーが魅力的な作家だ。その洗練度はますます高まっている。
作品については両者の空想力は方向が違うにせよ、お互いに引けをとらないと思う。むしろ本作品集収録の「アウト バースト」などを読むと、着地点は同じような気がする。
この作品集は何度目かのリメイク版であるが、大判でカラーページが再現されているのが特徴だ。作品としては海洋、北方の島、南洋のジャングル、宇宙空間とバリエーションにとんだ舞台で、それぞれ思わずうなってしまうような作品が収録されている。もし星野之宣を知らない人がいたら、入門書としては適切だと思う。
星を継ぐもの 2 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
30年以上前に原作を読み、たいへんたいへん感動しました。
普通ならそんなときはまわりに勧めてまわるんだけど、これはちょっと勧めづらかった。
だって、読みにくいんだよなぁ。
というわけで、漫画化されてこれで勧めてまわれます。
ありがとう星野先生! っていうか、30年前に読んだ原作と違うんですけど!
3巻、早く早く!
残像 (MF文庫)
~小説、映画、漫画、アニメ等分野を問わず、日本の作家が世に出したSF短編の最良の一遍と言える。
SFのアイディアも秀逸、そして本編を通した叙情性。
主人公の擦れ往く想い出が、SFならではの一枚の風変わりな写真を通し、一気に心の裡から溢れ出す様は素晴らしいの一言。そして最後に伝えられた事。
クラーク等のSF小説のファンにも誇りを持ってお勧~~め出来る素晴らしい一編です。~