ロストロポーヴィチ & リヒテル (EMIクラシック・アーカイヴ) [DVD]
1964年のエディンバラ・フェスティヴァルを収録したものだそうですが、曲目はベートーベンのチェロソナタ全5曲です。(ボーナストラックとしてリヒテルの「厳格な変奏曲ニ短調」付き。)
私、アマチュアのチェロ弾きなのですが、これは大変お薦めです。
もちろん古い録音ですけれど、音楽はすばらしいです。
白黒でほとんど固定アングルの映像も好ましく、ステージの後ろの客席で聴衆がコンサートを楽しんでいる様子も映っていて、幸せな気持ちになれます。
グレン・グールド/ロシアの旅 [DVD]
予想してた通りグールドの映像や演奏が少なかったです。
しかし、実は期待していなかっただけに、内容は予想を超えてなかなか良いものでした。
かなり興味深い内容が多く、リヒテルとも会っていた話やグールド自身が指揮をしている映像がほんのちょっとだけでしたがあって、楽しく見る事が出来ました。
そして、どうやらこの作品は、2003年第21回モントリオール国際芸術映画祭でグランプリを受賞しているようです。
それにしても若い頃のグールドは、見た目にもかなりかっこいいですね。
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第2番/ヴァイオリン協奏曲第1番 [DVD]
冒頭、モスクワと思われる夜景がショスタコのV協奏曲第一番をバックに一分程続き当時に引き込まれる。
続いて、本番ムスッとした顔のコーガンの演奏が始まる。
指揮はコンドラシン。
演奏はモスクワ国立フィルハーモニー交響楽団。
強靭なテクニックとグァルネリの美音がよく鳴る。観客の顔のアップが次々と挿入される。皆、演奏と一体となった沈潜した深みのある顔である。ショスタコの顔も出る。
楽章間の短い合い間にコーガンの私生活の映像が流れる。10歳頃の佐藤陽子を指導する真剣な教師としての厳しいコーガンの顔がある。いつの顔にも懊悩がよぎっている。58歳で歿す。
29分の小品ながらよくできた構成の映像となっている。カメラワークもいい。値段も手頃。
ハイドン:チェロ協奏曲集
ハイドンのチェロ協奏曲は名曲だ。ハイドンらしい陽性の快活さが心のしこりをほぐしてくれる。
本作はロストロポーヴィッチの弾き振り。75年11月の録音だが、音質は悪くない。本作の特徴は現代的なこと。モダン楽器による演奏もさることながら、カデンツァは第1番はブリテン、第2番はロストロポーヴィッチ自身によるもの。この18世紀と20世紀のドッキングをどう捉えるかは人によって異なるだろうが、私は決して古典派の曲の流れを損なっておらず、こういうカデンツァ(特に第1番)もありと考える。
ロストロポーヴィッチがソ連を出国したのは74年。本作は演奏活動の自由を得たばかりのロストロポーヴィッチの喜びに満ち、エネルギッシュ。アカデミー室内管弦楽団の演奏ものびやかでふくよか。
もう録音から40年近い時間が経過したが、今なおハイドンのチェロ協奏曲の代表的名演の1つに数えていいだろう。