Home Girl Journey
最初にクラップをする音が入り、その瞬間リスナーは反響音で録音された空間の狭さを把握することができます。それは同時に彼女の部屋でその演奏を鑑賞するに近い疑似体験です(もちろんオーディオ次第ですが)。今作の音の拘りでは、ハンマーが叩く音触りまで空気を伝い温度が伝わります。かといっって単純なクリアさじゃないんですね。こちらへまっすぐ届く声があれば、同時に絶妙な反響を通して伝わるピアノの音色もあり。でもそこにとても温もりがある音質環境なのです。そして彼女の歌声だからこそ、そしてピアノを聴かせる作品だからこそ、この環境に大きな意味が生まれていると思います。細部に宿る小さなものを慈しむような、彼女のうたが粒立ち、そして感情の起伏を見事な背景として映しこむピアノがやさしく聞こえます。こころの奥に染み渡るような音の温もりが今作にありました。
「会いたい気持ち」の弾む心と鍵盤、間奏の軽快さと素朴さは「赤いクーペ」へと自然に移ります。ことばをそっと止める際の彼女の柔らかな空気の支配力。そしてはっとするような真剣さ等、改めて彼女の表現力の凄さに惚れ直しました。アンニュイな「海辺のワインディング・ロード」は思い出の儚さへ。熱のこもる「雷が鳴る前に」は純真の切なさに。そして「しようよ」は詞の日常性を特別に敷き直した後、そこから生まれ来る活力を生き生きと抽出し、大事なものの喜びを残してゆきました。「ニットキャップマン」はぽつりぽつりと滲んでゆく彼女の表現だからこそ、詞の儚さが最大に活きます。「夢を見る人」「Photograph」は自由度が増しフリージャズのような面白さです。それは「世界はゴー・ネクスト」のうねる熱で頂をみれます。
「遠い町で」からはセンチメンタルに。ことばの細部に陰影をつけて丁寧に歌う様が光りますね。ピアノソロだけの「HomeGirl〜」を経て「さようなら」は更にゆっくりした波のメロディ。別れの切なさが素朴な表情で漂います。彼女の音楽の良さには、悲しさを悲しさで煽らない点があると思います。歌い方やピアノの旋律は仰々しかったり華美な装飾を必要とせず、日常的なテンポを旨とするんですよね。その上で、別れという現象の影を自然に描いてくるのです。だから、そのシンプルな儚さに共鳴してしまうのでしょうか。「在広東少年」、熱唱の「さすらい」の詞もこの曲の後だと趣き深いものがありました。
My Music Tree arvin homa aya FEATURING WORKS BEST
まず声がイイ!!さすがarvin homa ayaさん!
そして、いろんなジャンルをうたっているので、飽きないし、何時に聞いてもぴったりです。
house界の大物たちが…!! というだけでなく、本当に純粋に音楽を楽しめる1枚になっていますね。
M1 まず、大好きなPE'zの曲に、これまた大好きなarvinの声で、歌詞が乗せられているっていう時点で、かなりテンションあがりました!!すごくおしゃれな曲に仕上がっています。
M2 ボサノヴァ調のミッドテンポなエレクトロ・ナンバーです。日曜の昼さがりが特に似合いますねw
M7 ディスコサウンドを思わせるグルーヴィーな曲に、女心たっぷりの歌詞が、お気に入りです☆
M8 ハワイアンのような、ゆったりした曲と、恋心たっぷりの歌詞で、こちらもお気に入りです☆
M9 レゲエというと私自身あまり得意ではなかったのですが、arvinさんの透き通る声が加わると、なんか新しい音楽のように感じました☆
M11 このアルバムで一番気に入っている曲です!なんといってもさわやか!サビで繰り返される"Sky high!"の部分は、耳に残るし、口ずさみたくなります!生で一緒に歌いたくなります!
こんな楽曲が作れるGTSさん、ほんとにすごいです!
M12 HOUSEリスナーなら名前はしってますよね、DAISHI DANCE!彼のアルバムでのアレンジとは少しだけ変わったものになっていますが、テイストは損なわれないままです。
Arvinさんの、本当に透き通るような美声が存分に楽しめるだけでなく、いろんな音楽がこれ1枚で聞けるから、飽きないしいつでも聞ける!オススメの1枚です。
夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです
奇しくも村上本人があとがきで語っているように、同じような質問に同じように答えることの繰り返しでさすがに飽きる。結局皆、興味を持つ部分は似たり寄ったりで。作者が自分の作品について掘り下げて語るのは個人的にはどうかと思う(村上も同じ意見のようだが)。僕は村上の小説はほぼすべて読んでいるが、それでも正直退屈する。ま、解説本を読むよりは遥かにマシだと思うけど、ホントにコアなファン向けだと思う。読んで損したとは言わないけど、別に金出してまで読む必要はないな、と思った。それより、「スプートニク〜」以降の作品の質が落ちているのでもっといい作品を書いて欲しい。「総合小説」なんてどうでもいいからさ。
ちなみに文中で村上がJ-POPに関してほとんどゴミだかクズです、というような発言をしているが、それを言うならアメリカのポップ・ミュージックは全部ゴミ。この発言をしているころからマイナーの曲は売れないから、って全部ボツにするぐらいに画一的で。今ではJ-POPの方が遥かに良質。って、本筋とは全然関係ないね。
空の食欲魔人 (白泉社文庫)
孤高の叙情少女漫画家(?)川原泉画伯のデビュー作。
独自の世界を、意外に鋭い視線で、それでもほのぼのとしたタッチで
描く彼女は天才です。
惜しむらくは遅筆と寡作なのがタマにキズですが、体調をみながら、
できるだけ長く作品を提供しつづけてもらいたいと思います。
井上ひさしとの類似点は、ほのぼのタッチの作風の中に、くどくどと
能書きがたまーに長く挿入されるところ・・・かな?
ところで、本作品は、彼女のデビュー当初の短編集で、売れないイラスト
レーターのみすずさんが幼馴染のパイロットとなんの気なしに結婚して
しまい、その後に愛情に目覚める・・・という日常的な情景(?)を
軽妙なタッチで描いています。
心にあたたかさを必ず残す傑作そろいです。
ご家族で是非お楽しみください!?
夢をかなえるゾウ
話はガネーシャというかなりいい加減なあん蜜が大好物の象の神様が、
主人公(?)である自分に毎日課題を出して行きながら進んでいきます。
その課題は成功するための秘訣なんだけれど、
「靴を磨く」「トイレ掃除をする」「玄関に鏡を置く」とこれのどこが成功の秘訣になるの?
って、首をかしげたくなることばかり…。
でもその理由を聞くと納得、納得。
内容は、本当にこれまでいろいろな自己啓発の本とかに書かれている、
そして当たり前なことばかりなのですが、
この本には、それをしかも気軽に「ちょっとやってみようかな。」って読者に思わせる力があります。
ガネーシャが関西弁(そう象なのにです)で話すのもいいんでしょうね。
私もさっそくいくつかやってみました。
そして、少し時間の流れ方が変わりました。
ガネーシャの最後の言葉「自分が『成功したい』『変わりたい』って言うから
いろいろ教えたったけど、あまり無理すんなや」
「成功しても、成功せんでも…ワシ自分のこと好きやで。」
「世界を楽しんでや、心ゆくまで」。
たくさんの人に伝えたいメッセージですね。