柔道讃歌 6 (ホーム社漫画文庫)
亡くなった父親は本好きの私の為に出張に出ると時たまマンガの本を土産に買ってきてくれたものでした。この「柔道讃歌」もその一作です。オリジナルの単行本だとちょうどこの文庫版のほぼラストに当たるまでの10巻までを買って来てそれっきり忘れ去ったかのように続きの巻は買って来なくなってしまいました。その頃はまだ連載が続行中だった為どうにか書店で立ち読みをして済ませ特別文句は言わずにいたのですが、その後まさか梶原作品というメジャーどころがこれ程の品薄状態になると知っていれば無理にでも全巻買って貰うんだった…! 確かこの巻あたりの突進太はまだ巴黒潮くずしを使っている筈ですが、その後彼は巴津波落としという新必殺技を編み出し、更にそれすらも破られ最後には自らのアイデンティティー巴投げすらも捨て去った(最後に彼が身に着けた技は作品が復刻された時のお楽しみ!)突進太は最終話にて師匠でもあり最強の好敵手でもある利鎌竜平と決着をつけるのでありますよ!
柔道讃歌 1 (ホーム社漫画文庫)
柔道はスポーツじゃない。時間制限や判定などもっての他である。
この漫画はしかし柔道に限らず人間の生き方の指標である。
私は昭和の人間の力強さをここに見出す事ができる。
いつから社会は土日休業になってしまったんだろう?
いつから運動会の徒競走で順位をつけなくなったんだろう?
いつから根性とか努力が馬鹿にされるようになったんだろう?
そうだ、血と汗と涙の熱血ロマンがここに凝縮されている。
ストーリーも小説に近い語り口が好きだ。
出だしから謎とあいまって読者を飽きさせない。
母子シャチはどこか子連れ狼を連想させる。
母がまた美しい。
ナイフを手にしたヤクザをあっというまに海に投げ捨てる。
よく練りこんだ設定は最近のなるい漫画の及ぶところではない。