ワード・オブ・マウス
A面とB面を意識して聞いたときにたショックを感じた。
年齢がばれるが、ジャコを知り始めた時、まだLPとCDの両方が販売されていた。
私はCDを購入して聞いたのが初めてだったが、その時の感想は他のレビューアーの方が感じた感動と同じであったので似たようなことを繰り返し書いてもつまらないので割愛する。
購入して何回か聞いた後、たまたま、A面に相当する「クライシス」、「スリー・ヴューズ・オブ・ア・シークレット」、「リバティ・シティ」を聞いて所用のため一瞬止めた後、LPであればB面の頭になる「半音階的幻想曲 」から再び聞き始め、最後の「ジョンとメリー 」を聞き終えた時、それこそ背筋がゾクゾクするような感覚を感じた。
A面での構成と、B面での構成、そしてアルバムを通じての構成。これを意識して聞いてから、ますますはまってしまった。
私はアルバム全体を通じてこれほどの感動を感じたものにはいまだ出会えていないと言っても過言ではない。
Chez Toots
雰囲気は,なんといいますか,ごく日本人の琴線に触れやすいノスタルジックあふれる小曲集という感じでしょうか。
シールマンス氏は,もはやリーオスカーばりに,真っ向勝負のハモニカ男になっています。
しかし,その音はなんというか,アコーデオンでも聴いている感じ。
あくまで緊張感皆無で心地よいです。
この人の特徴ですよね,うるさくないハモニカ。
賛否が分かれそうなのは,結構入ってくるボーカル。
ジャケット通り,おフランスの小粋なバーで演奏を聴いている風で,雰囲気はよいのですが,
聴き流し用としては,結構鬱陶しいと思われる方もいらっしゃるかも知れません。
ジャズ,なんですけど,
マン・バイツ・ハーモニカ
風の,ばりばりのハードバップを期待してはなりません。
あくまで,基本は,日本人にとってもどこかで必ず聴いたことのある小曲の数々についてのテーマ演奏の美しさを楽しむ一枚です。
大草原の小さな家
がお好きだった方なら,まずはまると思いますよ。
Affinity
エバンスが、珍しくもハーモニカおじさん、トゥーツ・シールマンスと共演した作品。編成はトリオ+ハーモニカ+ts/fl。
ポール・サイモンの"Do it for your love"の様なスローなバラッドとノリの良い"Sno peas"みたいな曲がバランス良く配されており、概して叙情的で優しい雰囲気の作品。
丁々発止のインタープレイと言う訳ではなく、噛み応えはあまりないが、逆にジャズファン以外の人にも気に入って貰えるかも知れない。
風のささやき ~ベスト・オブ・ハーモニカ・ムード
ジャズハーモニカ奏者としてのトゥーツよりも、「ハーモニカ小父さん」の異名に慣れ親しんでいる方には、これはちょうど良い彼の履歴書となり得ることだろう。
彼のメインの活躍の場であるジャズ畑のナンバーから、60年台の音楽界を席巻したボサ・ノヴァ、さらにレコードシーンを一色に塗り替える前のロックを含むポップスの名曲まで、ヴァラエティに富んだ曲目を、彼は実に楽しげに吹きこなしている。ブルージーな曲も彼にかかれば心躍るような気分で聞けるのは、トゥーツが音楽を心底楽しんでいるからだろう。老いてその気概はますます深まっていることが、ハーモニカと言うちっぽけな楽器の、煌くような冴えた演奏から知れる。
これはただのベスト盤であり、ここを入り口としてトゥーツの深遠に浸るもよし、と思えば、もっと聴くべき名盤は山ほどある。だが始まりとしてはこれほど贅沢なアルバムはなかろう。昭和生まれの貴方なら、幼い日より聞きなじんだ名曲に出会えるだろうし、若い皆さんも気張らずに豊かな音色に身をゆだねれば、ひと時オヤジやオフクロの魅入られたメロディ・ラインに共感することが出来るだろう。ジョン・レノンも魅了された彼のハーモニカの魅力は、決して息絶えてはいない。
おっと、彼の本職であるギターや、これも得意とする口笛も堪能できるというオマケつきだ。