Wired
私は個人的に前のアルバムよりこちらの方が傑作だと思っている。
ヤン・ハマーのバックで縦横無尽、八面六臂まあいろんな言い方ができると
思うがもう好き勝手にベックのギターが飛び回るというとにかくかっこいいの一言のアルバム。
もう1から素晴らしい曲がスタートし、3、5、8と名曲目白押し。
ロックギターに関心ある人は聞く義務があると思う大傑作です。
【字幕付・日本版】ジェフ・ベック ライヴ・アット・イリディウム~レス・ポール・トリビュート [Blu-ray]
ひさびさに楽しくなるライブを見ました。途中中だるみのするライブが多い中、最後までテンションが高いまま最後まで楽しく見れました。
プレスリーのロックンロールナンバーから始まり、途中ヤードバーズでもおなじみの「トレイン・ケプト・ア・ローリン」をはさみ、ライブのハイライトとなるイメルダ・メイが登場します。
ここから空気感ががらりと妖艶な雰囲気に変わってきます。なんといってもこのライブはベックはもちろん、立役者はイメルダ・メイです。
前作のエモーション・アンド・コモーションでも2曲ほど歌っていますが、その時も気になっていたシンガーですが、今回映像で見て数倍も好きになってしまい即CDを購入しました。
歌がうまいのは当然ですが、全体から醸し出される人を引きつける魅力というかセクシーさは、かのモンローを思わせるものがあります。
それと今回レスポールとメリーフォードの雰囲気を出すために、事前にコーラスパートを録音しておいて、ライブでハモるということをやっている所もすばらしい。
なぜ今までメジャーになっていなかったのが不思議に思います。聞けばボーカルのダレルの奥さんだとか。バンドの息もぴったりです。(バックの演奏もうまい。特にドラム)
それにしてもベックは本当に楽しそうです。会場もキャパは100人位の所に200人近い人が入っているそうで会場全体が一体となって盛り上がっています。
ギターもES-175からデュオ・ジェット、レスポール、テレキャス、ストラトと曲によっていろいろと使い分けていきます。なかでも前作でやっていた「クライ・ミア・リバー」をバーニーケッセルばりにイメルダのボーカルをたてて弾きこなすところは、ただすごいとしかいいようがありません。もちろんレスポールの曲は完全以上に再現しています。何でも弾けるんですね。早弾きを売りにするギタリストが多い中、このひとはまさに歌心というかエモーショナルさを大切にしているところが、他のギタリストと次元が違います。まさに決して過去の人にならずに常に進化続ける唯一無二のギタリストだと思います。
このライブ映像、BD版で見たんですが比較的暗い照明だとは思いますが、とてもきれいな映像でした。それとCDも同時に購入したんですが、やはり時間の関係で何曲かはカットされています。DVDの方がコンプリートだと思います。両方揃えるのがベストだと思いますが、どちらかといえばDVDの方をおすすめします。絶対楽しいです。
最後に前作の「エモーション・アンド・コモーション」、グラミー賞にノミネートされていましたが残念ながら受賞できませんでした。残念!
大人のロック! 2011年夏号【Vol.27】 2011年 07月号 [雑誌]
今年後半に予定されている、ピンク・フロイドのスタジオ録音作品の再発売。狂気や炎にはSpecial Editonがあったりして、その内容や音質に関心があるが、今号には情報が間に合わなかったのか、記事も広告もなし。これにはがっくり。
巻頭2大特集がクィーン名盤伝説とビリー・ジョエルのロングインタビューではちょっと新鮮さに欠ける。次号では是非ピンク・フロイドを特集してほしい。
今号で面白かったのは、ロック史に残したいジャケBEST50。みうらじゅんがジャケ買いの悦びと哀しみというコレクター心理をよく代弁している。
ロックの殿堂 25周年アニバーサリーコンサート Explotion Side 白熱のロック・スピリッツ編 [Blu-ray]
日本盤は本作:「白熱のロック・スピリッツ編」と「黄金のロック伝説編」とに分かれたThe 25th Anniversary Rock & Roll Hall of Fame Concertsだが、前者、つまり本作の方がずっと観応えがある。「黄金のロック伝説編」は出演ミュージシャンの平均年齢が高いのでロックと老いについて考えざるを得なかったが、本作はBEPのような若手が参加しており、かつ本作に登場する古参のジェフ・ベックやミック・ジャガーも現役感一杯だからだ。ジェフ・ベックの孤高の音楽スタイルなどはやっと時代が追いついてきたと思う。
メタリカのパートでは+ルー・リードのゴージャスなスィート・ジェーンが70年代のロックン・ロール・アニマルを彷彿とさせて良い。
U2はエッジのギターの響きにミック・ジャガーとファーギーのヴーカルがかぶさるギミー・シェルターが圧巻。U2+BEPはBDのボーナスにまわっている。
ジェフ・ベックはロニ―・スコッツ・クラブのときのメンバー3人を従えての登場。+ゲストではスティングをヴォーカルに迎えたピープル・ゲット・レディが一押し。また、4人だけのインストでMSGを唸らせたのはさすが。フリーウェイ・ジャムはボーナスとして収録。
ボスのステージはいつものことながら文句なし。すべての曲ではないが、クラレンスがサックスを吹いている。+トム・モレロのロンドン・コーリングはボーナス。
メタリカのボーナスは+オジー・オズボーンのパート。本編とは別カメラの映像が使われているだけで演奏自体は同じ。ボスのボーナスにはもう1曲ハイヤー・アンド・ハイヤーがあるが、本編では短く編集されて画面がクレジット・ロールとなるのに対し、ボーナスではフル・レングスのライヴ映像を楽しめる。
ブックレット・日本語解説の貧弱さは「黄金のロック伝説編」と同じ。MCだけ日本語字幕がつくのも同じだが、本作はボノとボスのお話がある分、有用ではある。
ライヴ・アット・ロニー・スコッツ・クラヴ [DVD]
『LED ZEPPELIN DVD』、クラフトワークのワールド・ライブ以来の、まさに全世界のファンが喉から手が出るくらい待望していた、必殺の音楽作品。この客席にいたかった。よく「ライブハウスの臨場感」といううたい文句があるが、この作品にこそそれが相応しい。まさに、それ。これを企画した人、そして何より満点の演奏で応えてくれたジェフに努力賞を慎んで献呈したい。偉い。
どうしても、タルに触れなければなるまい。もう観ておわかりだろうが、ジェフのビデオの衣を借りた、タルの初ライブビデオでもある。一体誰がこの最高の雰囲気を醸し出しているかと言えば火を見るより明らかだ。やっぱり、バンドは楽しくなくちゃ。それを御大60ウン歳、ヴィニー50ウン歳の重鎮バンドでも実証している。タル自身も、一体どこでそんなに深いソウルを身につけたのか分からないくらい、ヘヴィなアプローチと情熱で弾ききっている。ブラボー。この先一体どうする?と余計な心配をしたくなる位である。タルがくすぐられるようなブルース・ラインを弾いたら、客席の暗闇にいるロバート・プラントがニヤリと笑っている。見逃しませんよ。
ジェフ。どうしても、BB&Aとか、昔の映像を探しがちだけどいつが最高のジェフなのかと問われたら、自信を持って本作であると言っていいと思う。本当におかしい。もうジミもローウェル・ジョージもレイボーンもいない。しかしジェフは未だ最前線にとどまり、ストラトキャスターの可能性の底辺を拡げ続けている。このビデオでのプレイに至っても、まだ途中経過に過ぎないように思える。いとも簡単に、ストラトからヘンテコリンな音を紡ぎ続けている。全くもっておかしい。奏法も謎が多過ぎる。これ見たらとうにギターをやめたおっちゃん達も「もう1回触ってみようかな」需要を喚起するに違いない。それだけの魅力に溢れている。大阪公演を観たが、となりの大学生達が開演前に「なんだかんだ言ってベックだから、ちょっとはマシちゃうん?」みたいな会話をしていたが、公演の半分くらいで口を開けたままになった。老若男女、このジェフの美技を体験すべきである。
今頃になって「3大ギタリストとは、よく言ったものだ」と痛感してきている。おととしのジミーと言い、この3人は偶然居合わせた天才達なのだ。そして重要なのは、その1人が最高のパフォーマンスをビデオにしてプレゼントしてくれたということだ。輸入盤にしろ国内盤にしろ、たったこれだけの値段で家にいながらにして最高のライブが観られる贅沢。クラプトンまで付いてます(笑)