5年後の世界
5年後の世界。
筋少・オーケンを追っかけ続けて本当に良かったと思う作品。
その理由は、絶望から這い上がってようやくたどり着いた「幸せな世界観」が詩の中に込められていたからだ。
筋肉少女帯の時代は、CDが1位になって、いいとものレギュラーにもなって、アイドルの恋人も出来たのに、
ちっとも幸せそうではなかったミュージシャンの大槻ケンヂ。
心の中はもやもやとした闇に包まれ、まるで明るく人生を生きることを拒むかのようだった。
『サンフランシスコ10イヤーズアフター』にてそんな自分にお別れを告げ
筋肉少女帯を去り、特撮という新しいバンドを作った。
特撮の方向性は筋肉少女帯とはまるで真逆で、別人のように楽しく前を向いていた。
だが筋肉少女帯を捨てた彼は、昔歌った"詩"までも捨ててしまっていた。
その後筋肉少女帯が復活、特撮が活動休止となる。
それでも未だ彼は"詩"を作らなかった。
大槻ケンヂが、大槻ケンヂである詩を再び書き出したのは『大槻ケンヂと絶望少女達』という企画で、
さよなら!絶望先生の主題歌を作ったときだった。
筋肉少女帯が"苦しみ抜くため"、
特撮が"楽しむため"に作られたものだとするなら
絶望少女達は"役割を果たすため"のグループだ。
筋肉少女帯期に味わった苦しみ、特撮時代に味わった楽しみ、
それらの経験を混ぜ合わせて、悲しい体験をしている誰かに希望を見せてあげること。
そんなことを彼がするなんて"想像もできなかった"し、
5年以来の特撮復帰作品でそれをするとは空想できなかった。
「お前は持ち場に戻るんだ」
「Please don't lose the way」
「誰もがそろそろ帰る時と気付く 大切なものを待たせてきた場所へ」
上記のフレーズは新曲のうちの一節の抜粋だが、まるで自分にそう言い聞かせているようにも思える。
そのような原点回帰の意識を持ち、重い腰を上げ再び絶望と向かい合い、その中にある希望を詩にしたのが本作品だ。
人として軸がブレている
空想ルンバ
林檎もぎれビーム!
メビウス荒野〜絶望伝説エピソード1
かってに改造してもいいぜ
・・・
どれも筋肉少女帯のリスナーにはニヤリとくる楽曲だ。
また、特撮曲のカバーはより深みを増し、元々大槻ケンヂがやりたかった『パンクバンド筋肉少女帯』を彷彿させる。
このような作品を作り上げたオーケン、そして彼の協力者たちにお疲れ様と、ありがとうを言いたい。
パナギアの恩恵
気がつけばオーケン歌うまくなっちゃったなー!46歳オーケン進化してます! 前作の「霧が晴れた日」もそうだが色んな歌唱法を感受性込めて表現できるようになっちゃった!むかし自分のボーカル下手を自虐ネタにしてたのに。惚れ惚れします。 演奏陣は流石。どの音も必要にして存在し、やっぱりピアニストのエディの存在はは別格で美しく儚い! 「じゃあな」は何故か涙が… しかしジャケット写真はかっこよすぎるビジュアル系か?46歳オーケン進化してます!(笑)
戦え!ぬいぐるまー! CD 初回版
一曲目の、「戦え!ぬいぐるまー」は名前の通り、
大槻ケンヂリスペクトな曲と歌詞になっている。
「神の領域」を連呼するサビもなかなかだが、
中盤の語りも変でつぼにはまると何度も聞いてしまう。
映像特典とエンディングテーマも素直に素敵でオススメ