クラウス ウィーン・フィル/ブラームス、モーツァルト、ラヴェル、ドビュッシー、G.ヴェスターマン、A.ウール、L.マンチネーリ、レスピーギ BOX
それにしても良くこれだけの資料を集められたことか。
復刻プログラムはよくできているし、時代を感じさせる。
音も今までのクラウスからは信じられないくらいの高音質。
マグネトフォーン録音のよさが良くわかる。
同じ企画でどんどん発売してもらいたい。特にフルトヴェングラー。
モーツァルト&ブラームス:クラリネット五重奏曲
初めてウラッハのクラリネットを聴いたのは55,6年前、小学校入学のころでした。
後年クラリネットを買って、奏者ウラッハに辿り着きました。
音色、音質へのこだわりは硬いリードにあります。いわゆる「吹きやすい」薄くやわらかい
リードではモーツアルト、ブラームスは表現できないでしょう。そして、深く大きな腹式呼吸。
(お弟子さんの)アルフレッド・プリンツさん(ウィーンフィル)の背中に触って驚嘆した思い出があります。
彼からもらったリードの硬さにも。
演奏はわずかな疑念も抱かせぬ、テンポ設定、そして思わず頷いている、間合い。
55,6年前からずーっと快く説得されている幸せ感があります。
モーツァルト:クラリネット五重奏曲
録音の音質・演奏ともに最高です。51年の録音といえば第二次大戦終戦からようやく5年たった頃。モノラルとはいえこのような高品質の録音とウラッハの名演奏が残っているのはまさに奇跡としか言いようがないですね。ウラッハの音はテクニック偏重に陥りやすい最近の演奏とくらべて品格と温かみがあり、聞いているだけで音楽に浸る喜びを味わわせてくれます。それにしてもこの時代のウェストミンスターレーベルの質の高さには驚きです。