アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)
満足するかどうかは、この物語をアラビアンナイトに連なる読み物だと思えるかどうか...
深く考えずに、ただただ、その時々の異国の世界を想像して読んでみると、この虚実入り混じった文章をたっぷりと楽しむことができると思われる。

読了後に現実に戻れば、男は結局は単純な生き物だと実感させられるのは、この作者の作品らしい。
最後になにやら勝つというか操っていたのは女...
そんな風に読み終えたのは私だけ?(笑)

これまで読んだ同じ作者の作品では、妙な軽さがある現代コトバの一人語りに食傷気味だった。
しかし、歴史モノということもあり、少しそのあたりは抑え気味。
たまに意外なところに出てくるが、適度に緊張感が抜けて良い♪

ちなみに、長さに対してのコメントもあるかと思うが、本家本元のアラビアンナイト(東洋文庫)の、あの冗長さと比べれば、短い短い(笑)
最近の角川文庫のセオリー(?)通りの三分冊だったが、上巻としてはちょうど良い部分で終わった気がする。
分冊を見据えて書いたか??と思うくらい(笑)

そして、フレデリック(レイトン)卿が描く清麗な女性たちが表紙となっており、3冊分も楽しめるのは嬉しい♪

 

アラビアの夜の種族〈3〉 (角川文庫)
日本人の作家としては随分と野心的な事をしようとしているな、と感心しました。読者を惹き付けて離さない筆力も相当なレベル。ただし、あくまで日本人作家としての但し書きがつきますが。メタフィクションとしての構造は単純で、特に目新しいものではないし、なによりズームルッドの語る物語の内容が同じアラビアンナイトが元ネタだからとはいえ、タニス・リーの「平たい地球」シリーズと雰囲気が似ている為、余計に新鮮味に欠けるように私には感じられました。リーの文章は装飾過多すれすれの耽美調なので、読む人を選びますが。古川氏は逆に一人でも多くの読者を得たいと思ったのでしょう、読み易さにかなり気を使った事が窺われます。私としては、面白いし気軽に楽しめるけれど、驚愕はしなかった、という感想です。

 

2007.12.8 古川日出男『ボディ・アンド・ソウル』朗読@六本木abc


古川日出男『ゴッドスター』発売記念イヴェント朗読会@六本木abc

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