相棒 Season 9 オリジナル・サウンドトラック
レンタルしてデジタルオーディオに移し1ヶ月ほど移動中に愛聴していましたが、どうしても大スピーカーで聴きたくなり購入。
ひとことで言って、もう“余裕!!”ですな。放送開始10年。これだけ物語世界、レギュラー人物造形に厚みと奥行きが持て、“いつもの匂い、空気感”が確立していると、恒例のテーマをちょっとナマイキにアレンジしても、『劇場版'U』を念頭にか?いささか大袈裟スタックアップなチューンを混ぜても、ちゃーんと『相棒』ワールドが立ち上がってくるから不思議です。
「ドラマ・映画を未見の人でも、音楽単体で楽しめてこそ優秀な劇伴」と思っていた時期が、自分にはありました。しかしもうそんな、料簡の狭いことは言いますまい。このアルバムは「とにかく『相棒』大好き!」「クソ暑い夏も、“涼しくなるまで辛抱すれば新シリーズ”と思えば乗り切れる!」という人にこそお薦め。M‐12『ティータイム』に、いまだ謎に包まれた杉下警部殿のプライベート寛ぎ姿を想像してもいいし、M‐5『日溜まり』からは角田課長の「暇か?」が聞こえ、M‐18『路地裏』で捜一トリオの寸劇を透かし見、M‐14『死角』ではナマ死体と出くわしちゃった神戸くんの気分を追体験。秋冬の水曜9時でなくても、いつでもどこでも特命係。ラストを飾るM‐19『名残り』とともに劇中法治国家の不条理ホロ苦さを噛みしめたりなんかしながら、次回放送を楽しみに待ちましょう(『劇場版'U』もね)。