バッハ:ヴァイオリン協奏曲集 (SHM-CD)
大好きなユリアフィッシャーのバッハ・ヴァイオリン協奏曲ということで即買い。ユリアらしく、大変素晴らしい演奏です(ハーンの演奏とは対称的)。ただ、協奏曲のアルバム曲順が個人的には気に入りません。また、SHM-CD音質をちょっと期待していましたが、期待はずれで全く良さを感じません。SACDに聞き慣れてしまっているせいかもしれませんが・・・。
J.S. Bach: Sonatas and Partitas for Solo Violin, BWV 1001-1006 [Hybrid SACD]
僕は洋楽ロックを聴いてきましたが、楽器の演奏もするので音には非常にうるさいです。例えばヒラリー・ハーンは全く評価していません。僕の基準では彼女は三流です。
さて、ユリア・フィッシャーのこのアルバムですが、あのハイフェッツを彷彿とさせる演奏です。厳密に言うとハイフェッツの方がもっと力強く聴かせるのですが、ユリア・フィッシャーの音はどちらかというと女性的な切なさを感じさせる音。だから、ハイフェッツの様な音を求めている方にはあまりお勧め出来ません。ですが、iTuens Store で試聴出来るので、試聴もしないのはあまりにもったいない。個人的にはハイフェッツは完璧だと思うのですが、完璧故に息苦しいところがあります。その点、ユリア・フィッシャーは非常に聴きやすい。女性的な切なさを感じさせる超一流の音楽を聴きたいのならこの1枚ですね。
Violin Concertos
Violin界の勢力図はジュリアードを中心とするアメリカの指導者の世代交代から、フランス、ドイツの
ヨーロッパに移ったことを認識させるに十分なユリア.フィッシャーの演奏です。
アメリカ生まれのヒラリー.ハーンが全く同じ4曲を録音しています(UCCG-70073).
興味ある片は比較してみるのもよいでしょう。
どちらも、タイプは違いながら、新鮮な演奏をしています。
ハーンは理知的で理性の勝った演奏ですが、フィッシャーは現代に息づく人間味を感じさせます。
まさに古典を21世紀に生き返らせたかのような、温かみを感じさせます。
フィッシャーは1夜のコンサートでヴァイオリンとピアノの協奏曲を弾いてのける才人です。
20歳代にして音楽大学教授でもあります。正に天才と呼べる芸術家この先どのように
変化し続けるのか興味がつきません。
余談ですが、ハイフェッツを始めアメリカヴァイオリンの全盛時代に、晩年のシゲッティーは
「哲学をもって弾く人がいなくなった、今しばらくは私とメニューヒンとで頑張れるが、その
後はかなり長い空白期間がくるのではないか、。」と嘆いたという。
ユリアフィッシャー。の登場でその空白期間も終わったと言えまいか。