民主党が日本経済を破壊する (文春新書)
タイトルは過激だが,内容はそれほどではない. 民主党批判にあてられた章はわずかであり,あとは著者の政治家としての回顧や,いまどういう政策をとるべきかといった内容である.
著者は衆議院議員になって 30 年以上だというが,この本を読んだ印象ではいまも庶民感覚をうしなっていないようだ. 「構造改革」 に関する意見も 「常識的」 だ. 逆にいえば経済・社会に関する専門知識があまり感じられないので,たよりなくも感じる. 本を読むひまもなかなかないということだ.
福祉政治―日本の生活保障とデモクラシー (有斐閣Insight)
文句なく目からウロコの切れ味のいい本!
日本の福祉レジームと雇用レジームの関係が本当にわかりやすく書かれていて、与謝野馨が激賞したのもうなづけます。多分、一つ一つのパーツ自体は、それほど新しいことが書かれているわけではないのかもしれませんが、個々のロジックを統合していく際の力量がすごいと思います。今までバラバラに認識していたものが、全部、うまくつながっていくような気がして、爽快でした。
WiLL (ウィル) 2011年 03月号 [雑誌]
今回、渡部昇一先生の小林よしのりへの最終回答を読みたくて購入しました。だから、まだ渡部先生の論文しか読まずに投稿します。さすがは保守論壇の重鎮、完膚なきまでに身の程知らずの論画家・小林よしのりを切って捨ててくれたのは痛快でした。下品な小林に比べ品位ある渡部先生ですが、さすがに行間には怒りが隠せないといったご様子です。スカンクの比喩に続いて今回は、老学者・田中卓の番犬ドーベルマンです(笑)いつもながら、渡部先生の比喩は秀逸です。そんな渡部論文の前に、小林よしのりの広告ページがある。編集部の意図なのかわからないが、和装で正座して日の丸扇子を掲げる小林の写真が、妙に間が抜けて見えるのは僕だけでしょうか。そして16ページにわたる小林の論画がある。一体いつまで連載が続くのだろう。相当うんざりしてる読者もいるに違いない。そこで花田編集長にお願いです。この小林の論画を袋とじにしていただけないだろうか。まさに渡部先生が指摘されるように、小林の醜画を見たくないというウィル読者は少なくないはず。読みたい人だけが袋とじを開いて読む。どうでしょう?