マイルス・デイビス自叙伝〈2〉 (宝島社文庫)
マイルスを通してジャズ界の師弟関係、相関関係が良く判りますね。といいますか、マイルスがその中心に鎮座しているという事実が認識できるのですね。
後半は特に黒人としてのアメリカでの扱われ方を克明に説明しているのが、例え世界的なアーティストであっても同じなのだなぁと感じました。読むに連れて未購入のCDを注文していってしまい、かなりの数量になってしまった。
いつの時代も素晴らしいが本人の語る歴史を読みながら聴くと一味も二味も違うものですねぇ。読んで良かったと思います。
死刑台のエレベーター【HDニューマスター版】 [DVD]
ルイ・マルの作品は大好きなので、いい機会かなと思い、予約して購入しました。
ジャケットみて、「こんなDVD購入したっけ」と思いましたが、題名見て「ああ、死刑台のエレベーターか」と納得。
早速、鑑賞。
ドヌーブの有名な、公衆電話シーンの「ジュテーム、ジュテーム」から一気に引き込まれます。やっぱりいい!
昔、テレビで見たときより映像が綺麗で、感激しました!DVDの旧企画盤を観ていないので比較はできませんが、モノクロ画像が大変綺麗でした。とても50年以上前の作品とは思えません。
バックに流れる、マイルス・デイヴィスもやっぱりいい!
唯一違和感を感じたのが、フィルムサイズ。『1:1.33サイズで撮影されたモノを監督の意向(遺志?)により1:1.66サイズのマスターを作成しなおした。』と記載されています。なので、パソコンで鑑賞すると、どうしても縦横に空白が出来、気になりました。
特典の『ジャケットと同じイラストの大判ポスター型解説書封入!』は微妙。A3サイズ位の厚紙ポスター(ジャケットと同じイラスト)の裏に、解説が記載されているので、何度も読むと、ボロボロになりそうなので実用的とはいえません。わければいいのに…。
ジャケットを100%ORANGE及川賢治さんという方が描かれています。このイラストレーターの方、存じませんでしたが、結構ステキだと感じました。
リバーシブルジャケットになっているので、好みじゃない方は裏にして使用することもできます。(裏面は、カトリーヌ・ドヌーブの公衆電話シーンのどアップ。ただし、すべて白黒。写真は当然としても、題名他はカラーにすればいいのに。これも、あまり実用的ではないかな?)
しかし、全体的にはかなり満足したので、年内にリリース予定の3作も予約しなくちゃ!ちなみにリリース予定は以下のとおりと記載されています。
10月リリース予定「さよなら子供たち」
11月リリース予定「五月のミル」
12月リリース予定「地下鉄のザジ」
素晴らしきヒコーキ野郎 [DVD]
一流のコメディでもある本作品ですが、本作の見所の1つは登場する多数の古典機。レプリカではありますが飛べたものから飛べなかったものまで実に多くの実在機が登場します。
レプリカとはいえかなり精巧に出来ており、違いはマニアにしか見破れないでしょう。ちなみにこの撮影で使われたアントワネット機は、イギリスのとある航空博物館に今でも収蔵されているとか。
特撮による飛行ではありますが、決してリアリティに見劣りしません。
ちなみに「紅の豚」ファンを筆頭に宮崎駿ファンは必見。思わずニヤリとさせられるシーン満載です。
……石原裕次郎氏が脇役として出演する本作品ですが、ファンの方は良く考えてから観ましょう。
Sketches of Spain
マイルスの、あの乾いたトランペットの音色を、万遍なく味わうには最高のアルバムです。ジャズを聴くには、こむずかしい知識や、難解な理論が必要と勘違いしている方も、ぜひ無心で、この乾いた音色に浸ってみてください。そもそも、こむずかしい知識や、難解な理論が必要な音楽なんて、説明を要する低レベルな芸術でしょうし、マイルスの音楽のような優れた芸術には説明も知識も要りません。無心で聴けば、音色が身体の中に染み込み、だんだんと膨らんでいくのがわかります。自分にとっては、最初に親しんだマイルスのアルバムとして思い入れ深いですし、また、ギター弾きなのであまたのアランフェス協奏曲を聴いていますが、マイルスのこの演奏がいちばん好きです。美しい音色に浸りたい時、リマスター盤の音質はありがたいです。
Kind of Blue
マイルスが本作を失敗作と言っているのは事実。60年代の作品群を聞いた後、改めて聞き直すと、
基本はモードでも、個々の演奏スタイルはバップスタイルと何ら変わりないのが理由だと思う。
マイルスは60年代黄金クインテットのような自由奔放な演奏スタイルを目指したのではないか。
しかし失敗作だと言われようが、本作の魅力が損なわれるものではない。理屈ではなく、
カッコいいものはカッコいいのである。曲が良い。編曲が良い。何より雰囲気が良い。
So Whatのイントロからは「何か新しいことが始まりそうだ」という変革の気配が感じられる。
このクールな変革の気配・雰囲気が本作の魅力である。失敗が幸いした稀な作品で、中途半端になった分、
保守と革新が共存する聞きやすい作品になった。ジャズの最初の1枚としては最適な作品だと思う。
本作はマイルスの代表作だが最高作ではない。ショーター、ハンコック、カーター、ウイリアムスとの
一連の作品がマイルスの目指したジャズの革新であり、ジャズの臨界点だと思う。