金髪のジェニー(ザ・ベスト・オブ・ロジェー・ワーグナー合唱団)
その昔、ソ連の合唱団といえば赤軍合唱団、アメリカ合衆国の合唱団といえばここでした。英語による歌曲を中心にした名曲集です。録音自体は古いのですが、デジタル・リマスタリングであまり古さを感じさせません。演奏形式も無伴奏、ピアノ付き、管弦楽付きとさまざまで飽きさせません。歌唱法もそれらに合わせて微妙に調整されています。
ただ、今の日本でこのような合唱が受けるかというと疑問です。中学・高校の合唱部が合唱人口の多くを占めているのだろうと思いますが、中ルネ、北欧・東欧、日本の現代曲中心に歌っているそれら合唱団員から見ると、ビブラート過多で粗い合唱に聞こえ、「名曲」自体古くさく感じるのではないかと思います。
ホーソンの「希望のささやき」を原詩で聞くことはほとんどないのでなかなか興味深かったのですが、この曲を懐かしく思う世代とともに、このような合唱も消えて行くのでしょうね。
故郷を離るる歌~翻訳唱歌集
日本の歌の中には、かなりの数の翻訳歌曲があります。文語調のものなど元々日本の歌かと思うのものもありますが、違和感なく聴けるのは、正しく翻訳の素晴らしさにあるのでしょう。本CDは、改めて、その名歌名唱を楽しめるアルバムです。異色のチェンバロ伴奏も素朴で良いと思います。
ザ・ベスト・オブ・ロジェー・ワーグナー合唱団 イン・デジタル
音楽の時間に聞いたり歌ったりした”懐かしい”曲を再び耳にすることができます。
子供の頃とは違った想いで聞くことになるでしょう。
毎日のように新しい曲が生まれて私達を刺激しますが、口ずさんでいるのは昔覚えた曲のようです。
懐かしく、古く、そして新しい。
良い歌は、何の装飾も必要ない、のですね。