罪と罰
赤いエナメル衣装にUKパンクメイクで日本刀という出で立ちに、
永野護の描くキャラクターみたいだなと思ったりしました。
もちろん、これは背景に配された自分のベンツを真っ二つにしたと
いうコンセプトで、当時、同時発売されたCDS「ギブス」の意匠と
「対」になっている訳です。ギブスではナイフに半分に切った果物
のりんご。
蛇にピアス [DVD]
若年層の病んでいる女性が共感し、心の渇きを癒やしてくれる映画ではないかと思う。 映画好きが観て、面白いと感じる映画はありませんね。エンタメ感は、ない。 しかし、私は実際に病んで病んでひどく苦しんでいる人を深く知っているので、この映画が多少理解できました。 苦しくて苦しくて、なにか解らないものに脅迫されて本当に自殺願望のあるひとには高評価な映画だと思います。
カフカ 田舎医者 [DVD]
初めての山村浩二作品。
まず一回ではちょっと理解できなかった・・・
で、次の日にもう一回みて何とな〜く分かった気がする。
最初の印象はいきなり顔や体が変形するところに
ビックリして、「これホラー?」と思い、恐る恐る
見ていたが、この監督のタッチなんだと分かった!
世界観が良かった!!すべて手書きで、動きも良かった。
特に唐突に立ち位置の遠近感が分からないほどの体の変形振りがダイナミックで、迫力があった。
しかも声優が狂言の方々で、独特の語りが意外と作風とマッチしていたと思う。
あとDVDの特典の監督インタビューを見れば、
より作品が分かると思う。
時間的にも程よく、癖になりそうな作品。
マザーズ
金原ひとみ著「マザーズ」を読んで
照る日曇る日第458回
3人の独身女性がそれぞれの子をもうけ、育児に翻弄されながらそれぞれの道を切り開いていくありさまが、おのがじしの体験と重ね合わせるようにして愛と共感と激励とともに語られる。
一人は作家、一人はモデル、もうひとりは普通の主婦であるが、いずれも同年代で同じ保育所に愛児を託していることから、この3つの生の軌跡ははじめはゆるやかに、そして最後は激しく切り結ばれるのである。
薬物に依存しながら自己の創造の限界に挑むユカ、幼児虐待の泥沼に転落してしまう涼子、そして美しく聡明な己の分身を悪夢の偶然から喪失してしまう五月……。
三者三様の仕事や異性や子供との対峙の仕方はすべて著者の心身に刻まれた毒と蜜であり、その激烈なリアルが、のほほんと生きてきた私のような男性を戦慄させ、うちのめす。