JTB 旅をみがく現場力
回数は少ないとは言え、私、内外問わず旅行の際はJTBのお世話になっております。
なので、ベクトルは好意方面に向いているとも自覚しております。しかし、そういう
私から見ても、正直、JTBべったり・・・のイメージが、最後まで拭えなかった一冊です。
別に、無理して貶すことを望んでいる訳ではありません。ただ、この本はJTBが取り
組んでいた一大改革(本体の持ち株会社化と、カテゴリー&地域別事業会社の発足)に
迫り、その一環として、多くのJTB社員へのインタビューも行っているのです。
組織体制の変革(それもJTBの様な大企業なら尚更)は、どんなに仕込みを行ったとしても
そうそうスムーズにいくものではありません。「新しいことを行う」それがどんなに大変な
ことかは、社会に出ている方なら想像も容易でしょう。
JTB(本体と各事業会社)の現況を多面的に映し出した結果、本書は改革の奥の院に
迫れなかったのです。題材への期待が高かった分、肩透かしの感を受けてしまったのです。
各部署が頑張っているのは伝わってくるのですが、それだけに終わっているのが惜しいなぁ
・・・と。
その代りと言ってはなんですが、支店機能以外の「JTB」グループの姿を、一般読者に
伝えることには成功していると思います。業界の雄である JTBグループが、どんな事業を
行い、そして今後の業界をどのように見据えているのか?ここら辺を知るには役立つ一冊
かと思います。
(JTBを受ける受けないは別にして、後2・3年は)就職活動の参考資料になるかと思います。
ルーマニア・ブルガリア―「五つの修道院」のルーマニアとバラの国ブルガリア (ツーリスト情報版 (186))
出版は97年12月なので、ホテルやレストラン等アップデートが必要な情報はあてにならないですが、
観光地やアトラクションの説明・美しい写真の量においては、数少ない上質のルーマニア・ブルガリア専門の本です。
歩き方などの他のガイドで得た情報とこの本の豊富で少々こだわった
(ルーマニアなどはブカレストの説明は余り無い)
編集は貴方のこの2国への知識を倍増させることでしょう。
ルーマニアでは5つの修道院・ドラキュラにまつわる特集(ブラン城やドラキュラホテル)
ブルガリアではリラの僧院・黒海のリゾート・バラの谷と伝統の踊り
特にビストリッツアにある、ホテルドラキュラ城のカラー写真付き解説は3ペ-ジ《1ページ縦25cm・横21cm》も費やしています。
当時あの謎のホテルのベールが剥れた瞬間でした。
今でもこれ以上詳しく書いている本に私は御目に掛かれていません。
カラーページは計約57ページ〔計113ページ〕です。
両国の写真付き料理解説も旅行中とても役立ちました。
何せ写真を見せれば出てくるのですから...。
出版は少々古いですが勿論主要観光地の説明もしっかりしているので、下手なガイドブックを買って向こうへ持っていくよりは桁違いにマシですよ。