チャップリン自伝 上 ―若き日々 (新潮文庫)
チャップリンの幼い頃の辛い辛い話に始まり、
だんだんと喜劇俳優としての階段を上がっていく様子が
細かに書かれています。
おおまかなチャップリンの人生については知っていましたが
こんな苦労をしてきた人なんだと、この本を読んで知り
辛い過去があってこそのチャップリンだったのだなぁと思いました。
自分の辛いと言う出来事とは比べ物にならないくらい
大変な幼少時代を過ごしてきたチャップリンの話を読むと
もっと頑張れる気持ちになります。
世界の人気者の歩いて来た道を知りたい時は是非!
チャーリー 【Blu-ray ベスト・ライブラリー100】
映画自体は結構好きなので、同社発売のDVDをもっていたがブルーレイに買い替えてしまった。確かに画質的にはよく映っているしDVDと違ってPAL方式からくる早回しではなくなってるのはよい。しかし、DVDに収録されていた特典が一切付いてないというのはどういうことだ?予告編はDVDでもついてなかったが今回も付いてないし… そんでもって、ジェネオン・ユニバーサルは日本語字幕の翻訳が非常にへたくそという定評がついてるが、この作品は劇場版の字幕と比べて翻訳が最低!ところどころ訳がおかしく非常に違和感を感じてしまう。そんな字幕の翻訳はDVDと変わらず非常に不満。★三つはあくまで製品への評価。作品としてならもっと高い評価をあげたいところであり非常に残念。
ドクトル・ジバゴ アニバーサリーエディション [Blu-ray]
私に映画マニアになる契機になった、思い出深い作品です。近年、日本を舞台にしたハリウッド映画(ラスト・サムライ、SAYURI)が作られるようになり、キャスティングやセリフが英語であるといったことから、無国籍映画だという批判的なレビューを目にします。しかし、考えてみれば、本作はロシア革命を背景にしたロシア人の物語であるにもかかわらず、ロシア系の俳優は起用されておらず(エジプト人俳優オマー・シャリフがジバゴ役で、英国人のJ.クリスティがラーラ役)、冷戦下のためロシアでのロケは実現せず、セリフは当然のように英語。ハリウッド映画とは昔からそのようなものなのです。
そのような条件にもかかわらず、この壮大なラブ・ロマンスは、60年代ハリウッドを代表する大作として映画史に確実に残るでしょう。デビット・リーン監督の次の作品であるライアンの娘と比較すると、妻の不倫に苦しみ許そうとする夫の姿が描けていること、J.クリスティと比較したサラ・マイルズの妖艶さ、アイルランドの自然美という点で、私はライアンの娘の方に軍配をあげます。しかし、本作の雪と氷の世界の美しさ、ロシア革命という20世紀の大事件の裏面を知る面白さ、各場面を盛り上げる映画音楽史上の傑作ラーラのテーマの素晴しさ。そして大河ドラマと言えるジバゴとラーラの物語の前と後、つまり本作の最初と最後に2人の愛の顛末を探るジバゴの兄とダムで働く娘の場面を配してこの大作を締める構成の妙。本作も決してライアンの娘にひけをとりません。そのラーラのテーマがかぶさるラストの巨大ダムの雄大な放水シーンまで、3時間超の本作を一気に鑑賞し終えたなら、陶然とした気分に包まれるでしょう。多少の欠点はありますが、BDで手元に置いておいて損はないまさに不朽の名作です。
チャップリン自伝〈下〉栄光の日々 (新潮文庫)
チャップリンが自由と希望の国アメリカで大成功を収めるところから、アメリカを追われる身になるまでの後半生が、この下巻で克明に描かれています。上巻よりも人名がふんだんに出てくるので、この時代(20世紀前半)の人物/文化の予備知識がないと、ちょっと辛いかもしれません。(こういう意味でも、氏の記憶力にはホントに脱帽します) そこは気にせず流し読みして、チャップリン氏の発言に注目して読み進めれば良いかと思います。例えば、映画のアイディアの思いつき方について説明するくだりを読むと、これは研究者が新しい着想を得るための日々の心構えと共通するんだなぁ、と感心しました。
この下巻を読み終えると、アメリカという国は今も昔も変わらないんだぁ、と思ったりしました。チャップリンをこよなく愛した筈のアメリカが、チャップリンを追放するに至るまでの経緯を読むと、このような話は現代でも大いにあり得る話だと思いますね。(911事件以降の状況は、チャップリンが経験した「赤狩り時代」と相通じるモノがあるように思えました)
本書を読み終えたら、またチャップリンの映画DVD集(「ラヴ・チャップリン ! コレクターズ・エディション BOX 1&2」)を見たくなりました。今度は、今までとはまた違った楽しみ方が出来そうです。「人生には三つのものがあればいい。希望と勇気とsome money」、このチャップリンの名言を今一度噛みしめたいですね。