SUPER FLIGHT
Mint JamsのTake Meは確かに名演に間違いない。しかし、Jazzの香りを強く
放つこちらのTakeも素晴らしい。粘るピアノも素晴らしいが控えめな野呂氏の
ギターがまた泣ける。ドラムのリフがばたばたしてる感じなのはご愛嬌。これも
これでまた良いと思う。他も名曲揃い。
境界線上のリンボ (1) (まんがタイムKRコミックス)
リンボとは、異世界との境界線に位置する街の名前。ココでは色々な人が当たり前の様に生活していて、その街で暮らす人にとっては「当たり前」なんでしょうが、たとえどんな容姿だろうと受け入れてくれる優しく活気のある街。
人間とエルフのハーフと言うヒロインのフゥは、人間にもエルフにも受け入れてもらえない現実から希望も無く遠く逃げさって行き着いた街がリンボ。
最初は自分が居たところとのギャップにオロオロとうろたえてしまうが、受け入れてもらえる場所で、持ち前の頑張り屋さんとしての自分を出して周囲との関係を築いてゆく。
この漫画良いです。
フゥの可愛らしさはもちろんのこと、フゥを取り巻く周囲の人たちや、不思議な世界観も「受け入れてしまう」街も、読んでいるとほんわかとした優しい気持ちにさせてくれます。世界観として比較するなら「棺担ぎのクロ」が闇とするなら、こちらの「境界線上のリンボ」は光と言った感じです。
画風は好き嫌いの分かれずらい可愛らしい絵柄で、4コマ漫画としては背景も結構描き込まれていて、手抜きと言うよりは優しい世界観を良く表現出来ていると思います。
何でも受け入れてしまう優しい街。街で暮らす人達にとってそれは普通のことではありますが、それをそれとして相手に押し付ける事もなく、受け入れているからこそのちょっとした微笑ましいトラブルさえも受け入れてしまう。いや、楽しんでしまう街の人々。
買い続けて行きたい漫画です。
砂丘の敵 [DVD]
1988年、季刊誌『リミュエール』が企画した「リミュエール・シネマテーク」が、映画10本のビデオ発売として実現された。その内の一本が、ヘンリー・ハサウェイ監督『砂丘の敵』(1941)であった。その後、管見の限りビデオもDVD化もされていない。その意味では本作は貴重な一本だ。10本のラインアップの目玉は、ツァラ・レアンダー、キャロル・ロンバート、ヴェロニカ・レイク、それに本作のジーン・ティアニーが加わる女優賛歌にある。ジーン・ティアニーは『ローラ殺人事件』(1948)が代表作だが、本作ではエキゾティックな美女として登場する。彼女に絡むのがジョージ・サンダースとブルース・キャボットであり、悪役が似合うサンダースが、ここではジーン・ティアニーがいる原地部族の味方になり、ラストでは・・・
何よりも20年前の「リミュエール・シネマテーク」の10本すべてを見ることができない、という現状を突破する『砂丘の敵』のDVD化を歓迎したい。ちなみに「リミュエール・シネマテーク」のラインアップは次のとおり。
・フリッツ・ラング『暗黒街の弾痕』(1937)
・アルフレッド・ヒッチコック『海外特派員』(1940)
・ジョン・フォード『果てなき船路』(1940)
・ヘンリー・ハサウェイ『砂丘の敵』(1941)
・エルンスト・ルビッチ『生きるべきか死ぬべきか』(1942)
・ルネ・クレール『奥様は魔女』(1942)
・デトレフ・ジールク『第九交響曲』(1936)*
・デトレフ・ジールク『世界の涯に』(1937)*
・デトレフ・ジールク『南の誘惑』(1937)*
・ダグラス・サーク『誘拐魔』(1947)*
*印4本は現在、DVD化されていない。ダグラス・サーク(デトレフ・ジールク)のDVD化を期待したい。
こんとあき (日本傑作絵本シリーズ)
ぬいぐるみのこんはキツネの子ども。
でも,あきのお守りをしてあげなくちゃならない自分の重責を,
力んだりせずドンと引き受けています。
本当は心細さに自分が泣き出したくなるような場面でも,
あきに心配をかけまいと,また自分自身を励ますかのように
「だいじょうぶだいじょうぶ」を唱えつづけます。
立ちすくんでしまうような砂丘の広がりの中で,
これまでこんに助けられ続けてきたあきが,
ついに初めてこんを助けてあげる側になります。
子が育ち,それを見つめてきた自分は古くなっていく。
身につまされるようなすっぱさがありました。
頑張って旅路を切りぬけた二人には,
頼りになるおばあちゃんが,きっと待ってくれていることでしょう。