頭の中と世界の結婚
純粋「悲しみ(悲性)」批判!
もともと、すばらしいアーティスト(文筆歌手)のマイルストーン!
彼女によってもう「悲しみは撃たれた」以上、
わたしたちは「悲しむ」必要が無くなりました。
そして「歌う」ことが出来ます。
ありがとう。
芥川賞受賞おめでとうございます
現代思想2011年9月臨時増刊号 総特集=緊急復刊 imago 東日本大震災と〈こころ〉のゆくえ
川上未映子さんの詩が素晴らしい。声に出して読むのにとてもよい詩です。
中井先生と神田橋先生の文章は、長年のファンだからもちろん読むけれど、
お年を召された印象が強い。
私は勝手に想像する。中井先生が、この雑誌がお手元に届いて川上さんの詩を読み
微笑む場面を。
どんな人でも、自分より若い人によってなぐさめられる。
震災の現場でも、そうではないかと思う。
水瓶
川上さんのエッセー本については
辛口のレビューも書きましたが、
この詩集はとてもよかったです。
2012年に読んだ詩集の中で
ベストです。
内容や形式はどれも似ているのですが、
(形式は詩と散文の間という感じ)、
その想像力の突飛のなさ、というか、
その文字の羅列の感情を喚起する喚起力には
目を見張るものがあります。
たぶん、川上さんにとっては、
詩を書くとはこういうものなのだろうなあ、と。
ぼくは、もっと、
改行の多い、内容もわかりやすい
シンプルな詩を書きますが、
川上さんの今回の詩集には脱帽です。
ぜひ、詩壇はこの詩集になんらかの賞を与えるべきだな、と思いました。
ヘヴン (講談社文庫)
ハッキリ言って、読むのがつらい作品です。いじめのシーンはあまりに壮絶(自分自身の中学生時代を思い起こしても、そこまでリアリティは感じませんでしたが、今のいじめはこんなに凄惨なのでしょうか?)。それでも、先が気になったことに加え、最後に救いがあるに違いない、と思い読み進めました。そして最後、ほのかな期待は大きく裏切られることになるのですが。それでも、やはり読み終えてよかったと思いました。
本書には哲学的、宗教的な意味が込められているようです。しかし、そんな難しいことではなく、「他人を変えることができないのだから、自分を変えろ」「人は強く生きなければならない」といったシンプルで前向きなメッセージだと私は受け止めました。誰にでもオススメできる作品ではありません。ただ、本書を読みきらなければ分からなかった世界がありました。
乳と卵(らん) (文春文庫)
芥川賞(138回)。改行の無い文章が続く。状況描写は非常に繊細で上手に思う。女性の肉体的特性と心理的特性を書き綴っている。
個人的はあまり好きな文体でもないし物語性も無い様に思う。娯楽として楽しむ文学なのかなと。もちろん普通のヒトが持ち得ない才能を発揮されているのは間違いない。以前養老さんと茂木さんの講演会で奇抜な質問をしていた事を思い出した。哲学や心の問題にも大きな興味をお持ちの方のようだ。