ラブ・セレナーデ [DVD]
淡々と進む物語は、それでも妙なテンポで飽きさせず、ブラックユーモアたっぷり。あっと驚く(ちょっと拍子抜けな)結末はこうご期待。
おっそろしく退屈そうな砂漠の田舎町に、一昔前のポップスがとても似合っていて、音楽のセンスにも唸らされることしきり。
この映画、あらゆる面で5点満点なのですが、一番の功績はミランダ・オットーという逸材を広く世界に知らしめたことに尽きます。
ださくて少々間抜けな妹役を演じる彼女、初めて見たときは「どこからこんな鈍くさい女優探してきたの?」と言いたくなるくらい。ところが!
「ミランダ・オットー」をクリックして、出演作をチェックしてみて下さい。(ちなみに「ロードオブザリング」にも2作目から出演)
「ブサイク」ぶりが実は演技であ??ことが分かります。怖くなるくらいの芸達者。
売れてもハリウッド中心にならないところも更に好感度高く、今後彼女がどんな映画でどんな怪演を見せてくれるのか、とても楽しみです。
ラブ・セレナーデ
映画は70年代オーストラリアの片田舎のDJがらみのラブコメディーです。
オーストラリアの片田舎って言うと、田舎の田舎ですね。選曲もそれっぽくて意外に味わい深いのものがあります。
田舎のディスコみたいな、感じがします。リーゼントで、バンプを踊っている感じです。
カッコ良さげだけど、カッコ悪い、でもカッコつけようとして、カッコ悪いのはカッコイイみたいな、不思議な味わいがあります。
ソウルとはいえ、白っぽいソウルです。改めて聴くとヴァン・マッコイの“ハッスル”なんて、アレンジはほとんどポール・モーリアみたいです。
こんな味わいは、根っからのソウル好きのタランティーノのサントラには期待できませんね。
意外に貴重。