小山ルミ&ドラム・ドラム・ドラム(紙ジャケット)
とっても煽情的で官能的。
といっても過剰に纏わりつかず、少しエッヂの利いたドライめのキレのある声。
ツインドラムをフューチャーした曲では互いに煽りあうような強さをもって、またポップス調の曲では少しマイルドなトーンで、曲調によって変幻自在に唄っており、説得力に溢れている。
いろいろなタイプの選曲はほとんどカバー曲だが、彼女の唄いこみによってオリジナル同様に昇華されており、アルバム全体も統一感があってアーティスティックな印象の深い作品であり、当時8トラでしか発売されなかったのは不可解としか。。。
紛れもなく本アルバムは70年代ビート歌謡の最高峰である。
ベンチャーズ歌謡大全 ベンチャーズ・トリビュート
「エレキブーム」で日本中「テケテケテケテケ」というサウンドが大流行の頃です。自分の小遣いで最初に買ったのがベンチャーズのレコードでした。当時のエレキバンドのグループの中で一番人気があり、とても分かりやすい特徴あるサウンドを持っていました。
このCDは、そんなベンチャーズが、大好きな日本の歌手のために、様々な曲を提供したもので、全てがオリジナルという当時のファンを泣かせるようなCDです。
渚ゆう子が歌った「京都の恋」と「京都慕情」がとても懐かしかったですね。地元京都の高校に通っていた時、深夜放送のラジオ番組によく流れていた曲です。日本の優しい女性のイメージが盛り込まれていたのでしょうか。
欧陽菲菲の「雨の御堂筋」も大ヒットしました。彼女のたどたどしい日本語が妙に雰囲気をもたらした曲でした。大阪を歌った曲の代表のような歌謡曲でしたね。
山内賢と和泉雅子の「二人の銀座」もベンチャーズの曲だったのですね。知りませんでした。デュエット曲として今でも我々50代のものには今でも歌われる曲です。
ベンチャーズのサウンドと懐かしい歌手の歌声を聴くと、青春時代のあの頃の思い出も一緒に蘇ってきます。
月影のドンチュッチュ~コンプリート・シングルス
1976年にデビューしたゴールデンハーフスペシャルはファンの方には申し訳ないのですが、印象の薄い存在でした。このCDには収録曲14曲に短い解説がついていて、「月影のドンチュチュチュ」という曲でこのグループは知られているそうですが、わたしは今回この曲を初めて聴きました。
何故、今回購入したのかといえば、70年代に何のCMかは忘れましたが、♪ギラギラギララ!男の手がギラ!〜♪ギラギラギララ!女の目がギラ!〜♪が使用されていて、長い間、誰が歌っているのかわからなかったのですが、当時からずっとこの曲を全曲聴いてみたいと思っていて、このCDに収録されている「ギラ!」(歌詞/伊藤アキラ、作曲・編曲/中村弘明)がそうだと思い購入しました。歌詞・曲・ディスコアレンジも優れていてアップテンポで、もちろんゴールデンハーフスペシャルのヴォーカルも最高です。
男のコの心理を知りつくしている「嘘みたい!?」(作詞/杉山政美、作曲/実川俊、編曲いしだかつのり)は、解説によるとカヴァー曲だそうですが、聴いていて楽しい曲になっています。
「ハーレム・ノックアウト」(作詞/伊藤アキラ、作曲・編曲/中村弘明)は、わたしはこの曲を外国の曲のカヴァーだと思っていました。某アイドルユニットがこの曲を歌っていたような記憶がありますが…。
ラストに収録されている「YMCA」は、英語で歌うという、彼女たちの本領発揮といった印象をうけて、すがすがしさすら感じました。(アレンジはビレッジピープルと同じです)
結果的にメジャーとして成功する事は不運にもできませんでしたが、それゆえにカヴァー曲、ポップス曲、そしてディスコサウンドなどの試行錯誤の作品集となっていて、逆にいえば、だからこそ多様な作品を楽しめるのかもしれないと思いました。
悪なあなた~歌謡番外地
太田とも子さんの「恋はまっさかさま」「とおく群衆を離れて」は、素晴らしいです。
この歌。色気・こぶし・可愛さ・どす・気だるさ・かっこよさ・上手さ・個性・・・こんなにもバランスのいい歌い手さんはいないように思います。歌謡の華やかさから一歩はなれつつ、やさぐれすぎない・・・そんな感じ。
「恋はまっさかさま」は、歌謡曲の中ではピカイチです。上下するメロディー、やられる歌詞、イントロAメロBメロサビの急展開、サイケなオルガン、歌謡ファンはドストライクと思われます。
「山猫の歌」は、言うまでもなくやられます。なかなかない歌ですよ。ファンキーで這い上がってくるようで・・・ギターもベースもよくこんなむつかしい曲を、というバックの演奏にも感心します。ニヤリです。
さすらいのギター~ベスト
一聴して、歌のうまさ、グルーヴ感にノックアウトされてしまう。「あなたに負けたの」は名曲中の名曲であるが、その他の曲も捨て曲なし。特に「グッと、がまんして」の「泣いちゃお〜かな〜」はツボにはまりすぎて、これだけで買いである。
歌唱力、楽曲の素晴らしさ、遊び心、稚気にあふれた、まさにエンターテイメントとしての歌謡曲の理想形と言っても過言ではない、奇跡の作品である。
歌謡曲ファンにオススメの、いや必聴の一枚。これを聴かずして歌謡曲は語れない…。「歌謡曲番外地」なんて言わせない。