吐きたいほど愛してる。 (新潮文庫)
「食事前には読まないで下さい」という内容の解説が付けられている。
なるほど、この猟奇的描写の連続を読んでいると、表題どうり、吐き気すら催す。
しかし、本書の猟奇性は、天ぷらで言えば、衣に過ぎない。
きわめていびつな形ではあるが、これらも一種の純愛と呼んでも良い。
特に「まゆかの恋慕」は、猟奇的ではあるが、しみじみとした、本物の純愛だ。
精神的に病んでいると感じさせられる作品であっても、共感または了解出来る部分も多い。
四篇の作品は、読了してみて、なるほどと感じさせられ、どれも印象に残る。
著者の手掛ける分野は、企業小説から純愛小説に移り、最近はクライムノベルも手掛ける。
本書は、純愛小説であり、同時に、クライムノベルでもある。
ただ、猟奇性の度が過ぎる点を減点し、星4っつとした。
カリスマ〈上〉 (幻冬舎文庫)
物語のスタートの描写が中々にエグイ。
己をカリスマとして祭り上げ、欲の限りを尽くすに至った幼い時の事件は身の毛もよだつほどの凄惨さです。
そのスタートをまともに正面から読みきったとき初めてこの物語は始まると言えます。
不倫純愛 (新潮文庫)
この作家の作品は初めて読みました。
官能小説が読みたくて買いました。
あっと言う間に読めて、想像しやすくて分かりやすかったのですが、
何だか読み終わった後に物足りなさが残りました。
それが何かというと、胸がキュンとするような切なさが無かったということだと分かりました。
この作品が悪いわけではありません。
私が求めているものとズレていただけです。