富江 [DVD]
『幽霊が出てこないホラー』と聞いていたためあまり恐怖には期待していなかったのですが、予想以上に恐かった。精神的に恐いシーンが多いです。
菅野美穂のはまり役には必見です。梅酒のCMのような優しい感じは微塵も感じられなく、菅野美穂の演技力の高さが伺えます。
富江 アンリミテッド【DVD】
潤二ホラー特有のギャグすれすれのシュールな恐怖描写と、悪い夢を見ているような気持ちの悪さを良く抑えてますね。
主役の富江も、過去作(一部を覗く)のような下品で口が悪い単なる性悪女ではなく、原作に近い高飛車で高慢ながらも妖艶な美女になってます。
今までの映画富江シリーズと比較しても、ダントツで原作の雰囲気を再現している作品だと思いますよ。
伊藤潤二傑作集 2 (あさひコミックス)
伊藤潤二氏が生んだ屈指のキャラクター「富江」が登場する短編を編んだ作品集です。
収録作は以下11話です。
・暗殺
・毛髪
・養女
・小指
・少年
・もろみ
・ベビーシッター
・ある集団
・通り魔
・トップモデル
・老醜
母親の胎内で生まれてくる前に共食いをするサメやカッコウの托卵等自然界の一見無慈悲な生物の習性(これは例えで、同じネタが本作内で使われて居る訳では御座いません)や西洋の伝承・チェンジリング等多岐に渡るアイデアを妖女「富江」に収斂させる業前・が冴えています。
成体で無性生殖をすると思われていた「富江」の幼生(つまり子供の富江)の出現や、これだけの繁殖力を持つ彼女が何故世界に溢れてしまわないかの理由付けも楽しい下巻です。
加えて永遠の若さを保つ 富江に対して憎悪を抱く儚い人間も登場して益々興をそらせません。
一部スプラッターシーンは御座いますが女性向け漫画誌に掲載されていた作品で、残酷趣味より豊かな奇想を楽しむ内容が多いので初めて読む女性の方も(多分)安心です。
お薦めです。
(伊藤潤二傑作集2 富江 下(あさひコミックス)のレビューです。)
富江―The complete comics of Tomie
とにかく怖い!その怖さも読み手のこちらにわーっと襲い来る怖さではなくてあくまでじわじわとくる感じ、例えて言えば一人で歩く夜道に後ろからぴったりついてくる足音・・・みたいな。だからこそ余計背筋が冷えるような恐怖感を感じるのです。あと日本的な線の細い繊細なキャラクター達もよりリアルに恐怖感を煽って夢の中まで追いかけてきそうなリアルさが何とも(=_=;)夜に一人で読むのはあまりお勧め出来ません(--;)
羽根
title曲『羽根』は、ピアノ中心の単純な伴奏に声を重ねることに始まり、徐々に音を増やして行くという手法を取っています。安藤希の透き通る声はピアノの音に良く映えますので、この方向は正しいと思います。強いて苦言をということであれば、(特にサビの)アピールが物足りないということでしょうか?C/W曲『花』は、バイオリン中心の伴奏に声を重ねています。title曲と違う形を付けることで変化を持たせることは技巧の良さを感じます。途中からギターの音がアクセントが付いており、音の厚みはtitle曲を上回っています。この歌が彼女のBestソングだと思います。もうひとつのC/W曲『空』は、ピアノ中心の伴奏の曲となっております。title曲と近いですが、いきなりの歌い出さずきちんとピアノソロの前奏があったのと、最初から最後までピアノの伴奏を中心としていることが異なり、かなり落ち着いた曲になっています。この曲も良いと思います。この3曲を聴いて、Gacktの技法に近いなと思いました。そう言えば両方ともレーベルは日本クラウンでしたので、影響を受けたのかもしれません。