ブレイズメス1990 (講談社文庫)
本書(海堂尊『ブレイズメス1990』講談社、2010年)は『ブラックペアン1988』の2年後を描く桜宮サーガの一作である。これから始まるというところで終わってしまうため、他の作品と比べると、作品単体としてはスッキリしない印象である。
バブル経済期に現代医療の問題は出ていたという点が著者の問題意識である。そのか一つの解としてスリジエ・ハートセンターを提示するが、バチスタ・シリーズでは主人公サイドの人間である高階権太には到底受け入れられない発想である。しかし、本書の高階は『ブラックペアン1988』以上に青臭く頭が固くて精彩を欠く。そのために考え方の対立する天城雪彦の独壇場になっている。後のバチスタ・シリーズでは高階は病院長になっており、本書で天城が描いた未来図とは反対の結果となったように見える。どうして、そのようになったか、経過の作品を読みたくなる。
本書では金持ち優先の医療という天城の主張を誰も論破できない。しかし、格差社会の進展した日本は本書で想定した以上に深刻な状況である。国民健康保険料の値上げによって健康保険料も納付できず、健康保険証を取り上げられ、基礎医療すら満足に受けられない人々が増えている。貧困という問題意識から医療の問題に切り込むアプローチがあっても面白いと考える。
ジーン・ワルツ [Blu-ray]
ロードショウを観なかったので買ってみました!
残念ながら原作の10%ほどの力しかありません!
演技派女優を主演に据えたわりには演技するシーンも無く見所もありません!
平坦で無機質、海堂氏のドラマの見せ場を無視!
箇条書きのレポートのようになってしまいました!
CMはカッコ良かったのに本編は残念でした!!!
追加情報・ブルーレイ版を買ったのですが非常に音声が小さいです!
フルヴォリームにしないと聞き取れません!これも残念!
飛輪海スペシャル ウーズン&アーロン編 [DVD]
私は飛輪海の中でも特にウーズンとアーロンのファンなので、この【飛輪海スペシャル ウーズン&アーロン編】はすっごく楽しめました!
ウーズンは大好きな食べ物を食べているときの幸せそうな顔がなんとも可愛くて、故郷・ブルネイの母校や自身の経営しているジムの紹介、また家族や友人と過ごしているときの楽しそうな顔に笑顔がこぼれました。これを通してブルネイという国のことも少し分かったし、ウーズンの素顔も見れてとても楽しかったです☆
アーロンは初めての名古屋で、いろんな場所に行って名古屋という土地に触れたり、天むすを作るお手伝いをしたり、名物料理を食べたり、お買い物をしたり…日本語も一生懸命話していて、あのあどけない無邪気な笑顔がめっちゃキュートでした★
また、真剣なときの表情も無邪気な笑顔とはギャップがあり、カッコ良かったです!
ファンミやピアノ演奏の映像もあり、大満足でした!
特典映像も満載でとても楽しめるので、飛輪海のファンなら絶対買って損は無いです!!
ジェネラル・ルージュの凱旋 [DVD]
堺雅人がいい演技している、普段ひょうひょうとしている速水が唯一激昂している会議室のシーンが個人的に一番好きだ
また、脇にいる(笑)主演の竹内、阿部の二人がいい感じに物語をか〜るい雰囲気にしてくれているため、昨今のくら〜い医療映画とは違い、食事中でも見れるようになっている
バチスタの時はドラマ医龍と時期が被ってしまい、二番煎じと感じ見ていなかったが
全く毛色が違う作品であるので同じように思っている方に手にとって頂きたい
因みにししゃもがバカウマだそうだ
食べたい
アリアドネの弾丸
本作は白鳥・田口シリーズの現時点での最新作であり、最近の著者の作品の中では、最もミステリ色が強い。
相変わらず本シリーズのメインテーマはAIであるが、それをめぐる様々な思惑の渦の中で事件が起きる。
意外性という点ではそれほどのことはないのだが、ラストのたたみかける白鳥のセリフは痛快である。
そして本作も、著者の他の作品と同様に、ミステリというよりも、医療問題提起のための作品といった趣がある。
本作の主テーマは、著者の非小説作品、たとえば「死因不明社会」でも主張されている。
医療問題提起が強くないのは、「ひかりの剣」くらいか?
あの作品は、しかし、若き日のジェネラルの登場という意味がある。
本作もこれまでの作品と同様に、他の作品に登場したさまざまなキャラクターが直接・間接的に、白鳥・田口に関係してくる。
敵でもあり、味方でもある。
それが楽しくもあり、また登場はしたが中途半端なままで出番が終わるキャラクターもいる。
彼らには、次作以降での活躍を期待するものである。
したがって、本書を読む前に、できれば著者の他の作品、特に「螺鈿迷宮」と「極北クレイマー」は読んでおいてほしい。
もちろん未読でも本作の面白さは十分楽しめるのだが、それらの作品を読んでおくと、あるキャラクターの繋がりが分かる。
その方が、本作をより深く楽しめるし、作品間の繋がりも理解しやすい。
あのキャラが、はたして単なる悪役のままでいるのか?
それとも、また違った関与の仕方で登場するのか?
楽しみである。
おそらく著者のことだから、再び医療問題とからめた展開で、問題提起の役割を振られるのだと思う。
そこで心配なのが、この方式だと、初登場キャラに重要な役割が振られることになりがちである、という点だろう。
本作でも、なかなか重要な役回りのキャラクターが登場するのだが、はたして次作以降でも登場するのか、少々気になるところではある。
しかし、本作の白鳥、かっこいいじゃん!!