プラネテス 9 [DVD]
初めは、見ていて田名部のキャラはキライだったのですが、ストーリーが進むにつれて逆に好きになってましたね。これも、田名部の『愛』のパワー?みたいな・・・(笑)ハチマキの自分自身と闘うところは、私自身かなり共感するものがあって、アニメを見てでは初めてですが元気づけられました。 DVDの後に原作を読んだのですが、原作もイイです。DVDの中でちょっとした専門用語が出てきますが、原作では解説も入ってるので解りやすいですよ。DVDしか見てない人はチェックしてみてください。ちなみに、原作のオマケ?の4コマはマジで笑えます。
プラネテス(2) (モーニングKC (778))
私はこの2巻で完全に心を掴まれました。
『大願』から逃げることをせず、あがき続けるハチマキの姿に胸が震えます。
あまりに大きな夢をみてしまったハチマキは、『ただひたすらに夢の完成を目指す生き物』に徹しようとします。
「他はどうでもいい」とドライに切り捨てながらエゴイスティックに突き進む様はストイックそのもの。
「全部おれのもんだ、孤独も、苦痛も、不安も、後悔も。 もったいなくてタナベなんかにやれるかってんだ」
自分自身への自虐的な怒りを推進力に変えてまで・・・
そして迎える訓練中の事故。
窮地に陥ったハチマキの心の葛藤が痛いほどわかり過ぎて・・・
「オレに必要なのはあんた達じゃねェんだ。必要なのは血の沸くような自分への怒り」
タナベ達に救われたときのセリフ
「どうして一人にしてくれないんだ」
これには本当にやりきれない気持ちになりました。
もうただただ脱帽。
こんなに熱く心を揺さぶられた作品は本当に久しぶりです。
スゴイ。
プラネテス(1) (モーニングKC (735))
衛星軌道上の廃棄物を回収する仕事をする「ハチマキ」を主人公とした、宇宙が舞台の物語。SFといいながら、とても人間くさい話なのが、この作品の良いところだと思います。全4巻の中で、語られる「ハチマキ」「ユーリ」「フィー」「タナベ」の家族の様子が良いです。
宇宙にいけるくらい科学が進歩しても、結局、人は悩んで苦しんで、答えを探しながら生きていくしかないんだな。と。
プラネテス 7 [DVD]
ハチマキの一世一代のわがままが始まる。
周り全ての人間を遮断して孤独な戦いにというストイックな幻想に取り込まれていく。
「人は独りで生きていけるのか?」というヒューマンストーリーの幕開けであり、個人の問題・社会の問題…色々噴出してくるけどアニメ版プラネテスのコンセプトはこれだと思う。
わがままでいられるのは、周りの協力あって出来るのだと…
ハチマキが羨ましくもあり、彼を支える周囲の暖かさに人間の良さを感じる。
ヴィンランド・サガ(9) (アフタヌーンKC)
ある程度おもしろい物語を書くにはコツがあり、それにはテンプレートのような基準が存在します。
ですがそういった小手先の技術を破壊してしまうのが日常編や過去編、そして前フリ部分です。
様々な作品ではこの部分が足をひっぱてしまい、それまで面白かったのになんでだ? と白けさせてしまうことがよくあります。
今回のヴィンランドサガでも物語が一区切りついたあとの新たな展開への前フリが続くわけですが大きな前進はありません。
普通の漫画家さんならこういった展開は読者人気を得られずにとっとと切り上げるところなのですがこの作者は勝負しています。
そして見事にそれを成功させています。
これぞ現代に生きる漫画家と言えます。
阿吽の呼吸のように組み込まれた緻密な展開は未だ前フリ部分の展開であるのに心が震えます。
進化を続ける今を生きる漫画家の最高傑作がこれです。