東京島 [DVD]
かなり話題作だったと思うのですが、
大した展開も無く淡々と進行していくように感じました。
それ故正直尺が長過ぎに思えて仕方なかったです。
もっとサバイバル下での人間の集団心理を描いたものかと思いましたが、
その辺は中途半端で巧く描き切れていない気がします。
なんかこの作品独特なノリもあってあまり移入出来ませんでした。
木村多江さんの身体を張った演技は頑張ってるのでちょっと勿体無い。
怪談新耳袋 百物語 [DVD]
どうもやけに評価の低い今回の新作であるが、個人的には寧ろ、少し前にやっていたショートのシリーズと比べると、ずっと恐怖描写が分かりやすく、怖い作品が揃っているという印象だった。
旧シリーズは、どちらかというとシュールな表現や、ややコメディタッチな作品などが多く、純粋に怖い作品、ということになると物足りなさを感じることが多かったが、今回の十作品はそれぞれに怖さや面白さがあり、安易な笑いに逃げない姿勢が好ましい。それぞれの話が明快な結末がないのはもともとそういうシリーズであるから文句をつけるのは筋違いだろう。オーソドックスではあるが、さまざまな手法で恐怖や緊迫感、不気味さを際立たせる演出は相変わらずのクオリティ。
少女たちの演技も自然体で可愛らしく、恐怖に歪む表情もなかなかのものだ。メイキングを観てもほほえましい気分になれる。
ただ、不満がないわけでもなく、今回は特にDVDの仕様について。例年入っていたコメンタリーが今年は入っておらず、楽しみにしていた身としてはかなり不満だ。監督、脚本家、プロデューサー、また時には原作者が入って作品や原作についての情報を交えながら解説していく様は毎回聞きごたえがあって面白いものが多かった為、ないだけで☆ひとつマイナス。
また、映像特典も同時発売の「殴り込み 東日本編」の冒頭17分をそのまま収録したもの。見ていない人にとっては手っ取り早く内容を知ることが出来、興味を持つきっかけにもなるだろうが、私のようなファンはとっくに観ているわけで、せめて本編では未収録だった映像を使うだとか、そういう工夫が欲しいところだ。このままでは映像特典という呼称すら怪しい。
と、文句はつけてしまったが、作品のクオリティ自体は個人的には結構高いものが揃っていると思う。この夏怖い作品を求めている方は、とりあえず観てみるだけの価値はあるのではないだろうか。少なくとも、酷評されるいわれなどない作品群のはずだ。
怪談新耳袋 怪奇 ノゾミ [DVD]
真野恵里菜映画初出演にして、初主演の「怪談新耳袋怪奇」の2部作の1つである。映画館で彼女の舞台挨拶ともに鑑賞し、迷わず購入した。もう一つの「ツキモノ」が動の側面が強く、たたみかけるような怖さなのに対し、この「ノゾミ」はじわりと内面から来る怖さと最後に訪れる暖かさが心に染みる好作品である。何より、真野恵里菜の気持ちを内面に抑えた演技がひかり、彼女に共感しながら画面に引き込まれていく感じである。最近、地上波ドラマ「SPEC」や「Face Maker」でも様々な役を見事にこなしている彼女だが、その原点とも言える作品となっている気がする。主題歌の「家に帰ろう」も彼女自身が歌っていて、ラストシーンでそれが流れてくると本当に感動する。昨年7月にはロサンゼルスでのプレミア試写会で、英語の歌詞も含まれているこの曲を歌い、大絶賛を浴びた曲である。とにかく、単なる怖さを追求した怪談ものとは一線を画す、見て損することのない素晴らしい作品であると思う。ホラー映画ファンならずとも是非見てほしい好作品である。