The Gospellers
ゴスペラーズの若々しい曲がつまったアルバム。
このアルバムは懐かしさとリズミカルで学生らしい雰囲気があります。
特に『Winter Cheers!』『Something in my soul』などが特に。
『Winter~』はコンパの場景が収録されていて実にリアル。
曲自体が若々しく、馴染みやすいアップテンポなメロディで楽しいです。
このアルバムを一言で言うと「ドライブ中のBGMとして最適」。
『Higher』という曲が特にそう感じます。
都会の夜のようなダークっぽさもあり、リードボーカルの黒沢さんの声の強弱も素晴らしい。
オススメは『U'll Be Mine』。切ない恋の歌です。
最近のゴスペラーズにはない、懐かしい弾けた彼らを聴きたい方は是非。
『少女の友』愛唱歌集
戦前の女学生生活の中で歌われたような歌がつまっています。
うっとりするような歌が、尖っていない女性の歌唱で入っています。
カチューシャの唄も入っているし、野ばらも入っている。
清らかで麗しい少女の夢と憧れのつまった世界です。
このようなCDが発売されることが嬉しいです。
ジョゼと虎と魚たち [DVD]
下半身不自由で、おばに乳母車に乗せられ散歩に出かけるジョゼ(池脇千鶴)。ある朝、道端で主人公(妻夫木)とばったり出くわすところからストーリーは始まる。恐る恐るジョゼの家でごちそうになった"朝ごはん"のうまさに、主人公の表情が一気に緩む。主人公の「これうまいっすね!」の後の、ジョゼの返事、しゃべり方に、この映画の風味を感じる。なにせ池脇千鶴の演技、雰囲気は、本当に引き込まれ、時折見せる表情の変化は、素晴らしいの一言。 映画の中の「関西弁」は、この映画全体の展開の良さに実にマッチしている。そして、くるりの「ハイウェイ」。2人が思うがままに旅に出る。最高にジンとくる瞬間です。
ジョゼと虎と魚たち(通常版) [DVD]
くるりが音楽プロデュースとゆうこともあり気になっていた反面、
予告のなんともいえない切なさに抵抗を感じていてなかなか観に行けなかったこの映画。
なぜだか一人で観る気にはなれず、彼に連れて行ってもらいました。
そして終わって。
痛かった・・・・つ、つらい。きつい。どうしようもないリアル。
全てがリアルすぎる。のです。
ごはんの作るにおいも、午後本を読む静けさも、冬の海の風の冷たさも、学生時代の昼間
部屋で抱き合うときのあの部屋の温かさも、好きな人と初めて布団の中で裸で抱き合うときの
うれしさとおかしさも、ドライブしていて疲れて機嫌が悪くなったときの彼の声も、
ホテルに入る車のカーブも、
全て全て観る人が皆記憶にあるだろうのリアル。
それゆえにどうしようもない、納得のいく結末とそれにやりきれない切なさ。
同じ経験をしたことのあるかもしれないのに、今思い出すとどうしてこんなに切ないのだろう。
素直に自分の気持ちに正直な恒夫と、正直に自分を強くまっすぐに保つジョゼ。
二人の正直さにすごく胸が痛くなりました。
言い寄る (講談社文庫)
田辺聖子氏の小説を読むのは始めてだったが、昔に書かれたとは思えないほど新しく感じる文章の描き方。主人公の意識のうちと科白の隔たりのなさや気分の移り変わり。自分の意識と寸分違わずするすると読めてしまう。そして完全に魅せられ、夢中になってしまった。
これは3部作のはじめの物語。主人公と五郎の関係が主題となっているとみて読んでいたが、私にははじめから主人公と剛の恋物語であり、しかも女たらしである剛の主人公を想う痛々しい気持がリアルに伝わってくる。そしてただの「結局1人でいい」というありがちなラストに納まらず、読後は私自身にもともとあった絶望感の底が少しずつ浮いていくようで世界観が変わったよう。それは話の内容そのものもあるし、この方の世界のスケッチの仕方のせいでもある。この小説を通して見える世界そのものに、私は恋をした。今世界や人間関係(特に異性関係)がつまらない、と感じている人に、絶対お勧め!