Cross of Changes
1994年、ENIGMAの2ndアルバムです。
前作「MCMXC a.D.」(1991)では、グレゴリオ聖歌を大胆にフィーチャーし、
ヨーロッパ的な哀愁感、憂い、宗教、歴史etcを感じさせる作品で、「アルバム全体で1つの作品」といった統一感のある作品でした。
今回は、グレゴリオ聖歌がなくなり、
代わりに、アジア・中近東・北アフリカあたりを感じさせる民俗音楽的なエッセンスが、メロディ、リズムともに含まれており、
スケールの大きさを感じさせられます。
憂いをたっぷり含んだ楽曲がほとんどを占めており、中間の(6)では軽く安息、(8)(9)で憂いワールドから救われるといった構成。
ダーク、シリアス、重い、感性が研ぎ澄まされたような印象の作品です。
中近東・北アフリカを感じさせる憂いに溢れていている(2) "The Eyes of Truth",
ENIGMAの代表曲の1つ(3) "Return to Innocence"、中間部にハードロック的なギターソロを盛り込んだ9分弱の大曲(4) "I Love You...I'll Kill You"
ひたすらダークでメランコリックな(5) "Silent Warrior"。。。などなど、気に入ってます。
個人的には、(2)(7)あたりに、
映画「グラディエーター」サントラ盤を思い浮かべることもあります。(← 暗くて憂いや悲しみを帯びた曲が入ってますよね?)
また、(3)は、「昔、ラジオでよくかかってたな〜、懐かしいな〜」と。(← 分からない人は、検索・試聴を。聴いたことがある人は多いのでは?)
「ENIGMAファン」は、もちろん必聴です。
評価については、他レビューにもあるように、
音楽性にちょっと散漫な印象があるので、「☆-1」させていただきました。
1st「MCMXC a.D.」に比べると、深く入れないような。(3)は、流れからして蛇足のような気も。。。
まあ、あくまで、ENIGMAクオリティでの話ですけどね。
Enigma
天才サイエンスライター、サイモン・シンの名作「暗号解読」を大興奮して読んだのが
かれこれ7、8年前でしょうか。(これはいまでも不朽の名作)
もちろん詳しく解説されているドイツの暗号システム、エニグマの
イギリスによる解読作戦を軸に主人公ジェリコ(天才的な数学者)が
恋人クレアの失踪事件の謎に迫ります。
暗号はたとえ解読が成功していても、解読が悟られないように
味方の犠牲を涙をのんで見殺しにするという残酷な現実があります。
連合軍の護送船団とドイツUボートとの接触情報を手がかりに、
暗号の解読の糸口をさぐるという後半の山場は手に汗握ります。
エニグマの仕組みを良く知っておくとさらに楽しめますので、
別のレビュアの指摘通り、すこしインターネットで情報を
検索されることをお進めします。
もちろん、サイモン・シンの「暗号解読」ならベスト!
The Platinum Collection
3枚目のThe Lost Onesの出来が良いです。前作の「Seven Lives Many Faces」が私にはイマイチだったのですがこちらの方は昔のエニグマ色が強くて聞きやすかったです。
日本版をまっているうちに1年以上が経過してここを通して輸入版を買ってもかなり割安だったので購入したのですがThe Lost Onesの爲だけに買ったと思っても十分な出来でした。
知的立体パズルゲーム キャストエニグマ
このパズルを手にして解法を見つけた時、『これは有り得ない』と思いました。
エニグマが“究極”である理由はただ1つ。その造形のどこにも無駄が無く、緩やかなカーブや歪んだ円の全ての部位を駆使しなければ解く事が出来ないという事です。他のパズルならばデザインとしての造形が必ずありますが、このエニグマには不必要な形が一箇所も存在しません。まるでパズルとしての難しさだけを抽出し、結晶化させたかのような理解不能な形なのです。
しかも、難易度はまさにトップクラス。もし他のパズルが『造形美』という言葉で表せるのなら、このエニグマは『機能美』の究極形。是非ともこの『謎(エニグマ)』という名の究極の機能美に打ちのめされてみて下さい。
Enigma
恥ずかしい話ですが、エニグマ暗号のことなど全く知らずに、発刊当時、カバー表紙とその書名に惹かれ、買い求めました。
最初は読み終えることができず、内容もあいまいなまま、十数年、気になっていた小説でした。
年月日が入っていないので、回想と現実時期の把握が難しく、読みにくい小説ではあります。月日の記述が矛盾すると思えるところもあります。
しかし、重要な謎解きのときは、既に記述したことを、再度確認する形をとってあるので、何とか、行きつ戻りつ、読み終えることができました。
複雑な筋書きなので、根気は要りましたが、最後の最後まで、緊張感を持って読み続けることができました。
私にとっては、ノンフィクションでもあり、サスペンスでもあり、何よりも恋愛小説のように思えました。
読み応えがあり、満足感の得られた小説でした。
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