相剋の森 (集英社文庫)
熊谷さんの作品は、『漂泊の牙』『ウエンカムイの爪』に続き、個人的には3冊目になるのですがこれは面白い。久々に自然保護とか環境保護のあり方を真剣に考えさせられつつ、それでいてストーリーの展開も引き込むものがあり分厚い文庫本ながら一気に読み終えました。
自然との共生ではだめなのだというあたりを、是非とも読み取ってもらいたい作品。自然保護や環境保護は白か黒かを決めることではなく、生きていくことを考えるとグレーにならざる得ないといったことを考えさせられます。
個人的には、限りなく白に近いグレーでありたいとは思うのですが。
邂逅の森 (文春文庫)
凍てつく東北の山に暮らすマタギ、富治。富治の半生をマタギという狩人としての暮らし、圧倒的な自然の中で壮大に描いた力作巨編。読み始めるやストーリーにぐいぐい引き込まれ、一気に読了した。読書の悦びをストレートに再認識させる本だ。文句なく★5つ。
山背郷 (集英社文庫)
自然の圧倒的な強さを感じると同時に
それに対する人間の脆さを感じる作品集.
しかし,読んでいくにつれ,
自然にはかなわないと悟りつつ畏怖や葛藤を抱えながら,
それでもなお自然と懸命に対峙する人間の強さをヒシヒシと感じました.
非常に切迫した場面描写が多いため,
やや心臓の弱めな自分はドキドキし過ぎて
何度も本を閉じようと思ってしまいました.
決して幸福な終わり方のものばかりではないのですが,
主人公達はその運命を受け入れていくため,
読後感はさわやかだと思いました.
現実では失われつつある真の人間の強さ
見出す事が出来る作品だと思いました.