この局所バブル株で大儲け―頂上(てっぺん)はこれから!
本書を表面上なぞると「中国関連ほか一部の銘柄の株価が上昇〜局所バブル相場に」という話になろうかと思う。注目される関連銘柄、株価が上昇すると確信する背景としてアノマリーや過去の法則などを初心者にもわかりやすく解説している。
しかし私はこの本の核(コア)は、随所に散りばめられた著者のかねてからの主張である「儲かる人はこんな思考なんです」という投資家としてあるべき心構え、物の考え方にあると感じた。第1章の「株価が上がらないのは日経平均株価の構造問題」という「着眼点」が興味深いし、以降も注目に値する着眼点が平易な文章で書かれている。頭をやわらかくするつもりでこの本を手にとってみることをおすすめしたい。
最後に本書で一番好きなフレーズを引用します・・・「株式投資はお金を儲けること以上の意味や意義を求めるものではないと考えています。また、そのプロセスを問われるものでもなく、結果がすべてです。」
2011年 本当の危機が始まる!
よくあるタイプの煽っただけのタイトル(と装丁もか?)に見えますが、中身はなかなかの本格派でマーケットの動向をきっちり見ている人だと思いましたし、勉強になりました。
デフレに苦しむ日本人にはまだインフレ来襲といわれても実感がないのでピンと来ない点はあろうと思うが、たしかに金相場の値上がりや著者の言う債券バブルなどの事態が、ひっそりと確実に進行中である。
あくまで今後のアジア新興国とBRICs次第でしょうが、来年2011年の夏にでもなればここで語られていることの大半の傾向性は判断がつくのだろう。
その点では、著者も自らの頭脳と責任とをかけてこうした大風呂敷的「大予測」をしているのだから、金融商品をやっている人は一読しておいて損はないと思いました。あたらなかったら著者も批判されるわけですからね。とはいえ、最後に語っている「資産防衛法」のなかの投資先は、かなり堅実なセレクトであり、かりに「衝撃」が来なくても参考になり、某Pファンドなど、新しい固有名詞を知ることもできたのもよかったです。
著者が投資家などに人気があるのがわかった気がします。サービス精神と分析力はかなりあるなあという印象でした。
タイトルや惹句が大げさなので星一つマイナスですが、このタイトルじゃなかったら、買わなかったか?とは思うので仕方ないか。