原節子 十六歳 ~新しき土~ [DVD]
16歳の原節子さんが初々しく美しい。芸者さんのような日本髪に着物で登場する最初のシーンは、鹿、鶴、亀などに話しかけたりして無邪気で可愛い。16歳のときに、既にあのお顔はできていたのですねえというと変ですが、まさに戦後の映画で観てきた原節子さんの少女版(あたり前ですね)というか、初めっからやっぱり美しかったのですね。引退前くらいの作品での美しさと同じものを感じる。夢の中で、おさげ髪にセーラー服、水泳、弓道などのシーンなどがフラッシュバックで出てくるのが嬉しい。映画としては、当時の日本の風土や伝統、文化を表すような風景シーンが多く、今となっては貴重な映像の数々となるのでしょうが、ちょっと退屈。ドラマと火山の噴火を無理やり結びつけたようなストーリー展開も無理があるし、そのドラマ自体がなんか薄味で。日本を紹介するドキュメント映像といった趣もある。「新しき土」とは満州のこと。でもラストに出てくる兵隊のショットは、違和感があるなあ。その前の原節子さんのアップが美しかっただけに、余計に感じる。
つぐみ [DVD]
例えば、一緒にテレビドラマを見るとか、同じ月を見るとか、つぐみとまりあの何てことない描写が、何故だか、とてつもなく懐かしい気持ちを誘う作品でした。
子供から大人への過渡期で、何かを失ってしまう淋しさと、新しい何かを得る胸のときめきなど、10代のみずみずしさが描かれていてよかったです。
金田一耕助の事件匣 市川崑×石坂浩二 劇場版・金田一耕助シリーズ DVD-BOX
私は、このボックスに収められた作品は、すべてテレビで放送されたものをビデオに録画してあったので、購入を少しためらいましたが、ほんとうに買ってよかったと思っています。というのも、私たちが、これらの作品を繰り返し見るのは、市川崑という不世出の映像詩人による、独自の美的世界を堪能したいからで、それを再現するには、DVDの高画質が、やはり有利なようです。「悪魔の手毬唄」のオープニング・クレジットの深い緑を基調とした寒々とした感じや、「女王蜂」の茶会の場面を彩る女優さんたちの和服の柄など、やはりクリアに再現されていると思います。特典映像(予告篇、市川監督と石坂浩二の対談など)も貴重ですし、加藤武へのインタビューでは、加藤さんが我々に向かって「よしっ、わかった!」をやって下さいます。