シティーハンター 3
シティーハンターは今ではその続編ともいうべき「エンジェル・ハート」へと引き継がれている。この作品は私が中学校のときのものであるから、かれこれ20年近く前のものである。TMネットワークによるエンディングソングのGet Wildも一躍有名となった。シティーハンター3はテレビアニメの完結編にほかならず、主人公である冴羽僚の服装(その色)も一新した。このテレビアニメの最終回と全35巻に及ぶ漫画本の最終回とは異なっており、個人的には漫画本の完結を期待したいところであった。シティーハンターに懐かしさを覚えるあなた、是非このTVサントラをじっくりと味わってみて(シティーハンター2のときのSARA(歌手:FENCE OF DEFENCE)は本サントラには収録されていないが、今でもたまに聴いている)。幼少時代をいわゆる「傭兵」として育った冴羽の男としての魅力が詰まった、記憶に残る作品。いつまでもその輝きは放たれるに違いない。
スクラップ・ヘブン [DVD]
主演のお二人はすごく綺麗でした。
東京タワーで好演したオダギリジョーさん、それでもボクはやってないで独特の存在感を見せつけた加瀬亮さん。どちらも素晴らしかったと思います。
前半は、スラッと背の高い男前二人がテンポよく繰り広げる復讐劇…何も考えずに楽しめます。が、物語の後半はやや失速し、そのままの調子で終わりを迎えてしまいます。
それが少し残念でした。
しかし、ラストシーンとその少し前のシンゴとテツのシーンは素晴らしい表現方法です。
見て損は無い、むしろ現代人の風潮や習慣、想像力とは何なのか、想像力の必要性とは…今まで見向きもしなかったことが一気に見えてくる。
そんな作品だと思います。
バッハ:カンタータ全集(14)
現在進行中のバッハ・コレギウム・ジャパンによるカンタータ全集の第14巻。ライプツィヒ時代のカンタータ、148番、48番、89番と109番が収録されている。89番を除いた三つはソリストがアルトとテノールだけのものである。ソリストは鈴木美登里(S)、ロビン・ブレイズ(C-T)、ゲルト・テュルク(T)、浦野智行(B)。
鈴木の歌うアリアは一曲しか聴けないが、これまでの可愛らしく軽やかな歌唱に、深みとゆとりが加わり大変好もしい。浦野の軽めで穏やかな歌声は、第9巻に収録されている76番のアリアでは重量不足と技巧不足で説得力をやや欠いた感じだったが、今回の89番でのアリアでは力強さと繊細さのバランスの良い歌唱で、十分に聴かせる。ブレイズの硬質な声の輝きとテュルクの巧みな歌い回しは、いつものことながら素晴らしい出来だ。特に、テュルクが歌う109番のアリアの凄みのある歌唱は、ぜひ聴いて欲しいと思う。
CDの最後の曲にあたる109番の終結コラールは力強く華々しい曲で、聴き終わった後に爽快感をもたらしてくれる。
ステイ・ゴールド [VHS]
深津絵里出演の映画では唯一DVD化してない作品だったと思う。
まあ、TVドラマは大人の事情かビデオ化やDVD化していないものが結構あるのは有名ではあるが(涙)
他の方もおっしゃっておりますが既に今の活躍を予感させる程、演技力が突出しているのが見てとれます。 一応主演である高嶋政宏、渡辺典子ですら下手に見えてしまう位。
爽やかすぎる制服姿も見所。健康的チラ見せあり(笑)
ルービン回顧録
「建国以来、史上最も有能かつ重要な財務長官」とまでの評価を受けた第70代米財務長官ロバート・ルービン氏の回顧録。
アジア経済危機などの国際経済危機をどのような経済政策で切り抜けたのかが、当事者ならではだせる臨場感溢れた形で綴られる一方、それらの問題の複雑さ故、「蓋然的思考」とそれに基づく意思決定を徹底するルービン氏の「格好よさ」が際立つ。
「現実は非常に高度なモデルをもってしても分析しきれないほど複雑なものである」という事実を受け止めた上で、「そんな証明可能な真実がない世界で、後に残る蓋然性*1をいっそう精密にするためには、より多くの知識と見識を身につけるしかない」というスタンスにたち自己研鑽に励み、緻密な事実分析をつきつめていくルービン氏の姿の描写は、「選択肢の長所と短所を比較し、その上で意思決定をしましょう」という仕事の仕方術みたいなマニュアル本の記載とは明らかに一線を画する。
500ページ超の回顧録の中で首尾一貫する上記の姿勢には、刺激を受けずにはいられない。
下記のような方には、是非お勧めの一冊。
・日頃難しい意思決定を仕事上求められており、ちょっと行き詰まり感がある方
・近年の経済危機を題材に国際経済の勉強をしたい方
・民間組織から政府組織に行こうとしている、または行ったばかりの方(及びその逆)
*1蓋然性:事象が実現されるか否か、またはその知識の確実性の度合。