発掘!鉄道記録映像 DVD-BOX
まず要修正。内容の欄に「全13話を収録」とありますが12話しかありません。欠番は南海電鉄の回。南海がソフト化を渋るとも思えず、3話×4巻の商品フォーマットに整える、それだけのために欠番にしたとしか考えられない。「BOX版初回限定の付録ボーナスディスクに収録」とかどうにでも商品化のしようはあるだろうに…。
記録映画自体は大変に面白いです。武蔵野操車場の規模とメカニズムの精巧さが伝わってくるのは、新設当時の記録映画ならではでしょう。その後の悲運を知っているだけに、涙無しでは観られません。また、当時の鉄道会社の主張が伝わってくるのも興味深い。「生活のなかの鉄道-ローカル線」とか、タイトルに騙されちゃいけない。国鉄による、「ローカル線は私らにはお荷物なんですよー、地方の生活交通はバスに任せて廃止しちゃっていいでしょ?」という静かな訴えだったりします。あるいは、山陽新幹線岡山開通の時代には、物流もまだ鉄道に大きく依存していたことなど(つまり、旅客列車と貨物列車とで山陽本線の線路容量が限界近くなっていたために旅客列車の別線化=新幹線建設が必要だった)、現代では見落としがちな時代背景にも気づかされます。
もちろん単純に、「懐かしのあの路線が、あの列車が、あの車両が映ってる!!」というお楽しみも十分。まずは値段分の価値はあるといえるでしょう。
余計なのが司会のダーリンハニー。これといってマニアックな発言も無く、さりとて無知故の意外な視点や鋭いツッコミも無い。解説の佐藤信之先生から話を引き出す役にも立っていない。司会役が不要とはいわないけれど、これは明らかにミスキャスト(それとも脚本が悪いのか?)。
しかも、1話につき1チャプターしかないので、「ダーリンハニーが出てくるところを飛ばして記録映画だけを続けてみる」なんてこともできない。チャプターを切る手間を惜しむくらいだから、音声も1種のみ。「ダ(ryの声の入っていない、記録映画だけの音声」とか、セルDVDなら選択できて当然だと思うのですが。全13話を12話にした件も含め、「メーカーの都合優先、元のTV番組をただDVDに焼いただけ」のやっつけ仕事が残念。
科学技術は日本を救うのか (DIS+COVERサイエンス)
科学技術振興機構理事長である著者が、科学技術振興による経済発展論を展開した本。貿易黒字と貯金が海外投資に振り向けられた結果、国内投資は置き去りになり、今の経済停滞を招いたというユニークな視点を、貿易収支と円ドルレートが連動していることなどで論証し、巨額の貿易黒字は余り好ましくないとする。そして、科学技術で低炭素社会を実現するなどのビジョンに基づいた目標を達成する経済活動を行うことを提言している。
著者は自身のフィールドである超伝導の研究成果から、サハラ砂漠一面を使って発電した太陽光エネルギーを全世界へ送電できる超伝導電気ケーブル、パンタグラフやレールが不要な超伝導リニアモーターカーなどの未来科学を紹介している。とてつもないスケールだ。
本書の論じる内容はスケールが大きいが、文章は非常に平易で図解も多く読みやすい。冒頭で、「もっと科学研究予算拡大を」と訴える著者の立場を抜きにしても、新書なので、論旨はややおおざっぱな点もあるが、「科学技術で環境社会を作る」というビジョンが根拠に基づいて構築されていて、日本の発展戦略をしっかりデザインできている。
物理・モーター 手作りリニアモーターキット
これは、良いです。
フレミングの左手の法則を確認し、実感するには格好の教材です。
組み立ては簡単です。
レールは紙製なので、耐久性はまったくありません。耐久性を求める人は買ってはいけません。
磁石は、粗末な強力磁石なので、実験を行うと手が黒くなってしまいます。
また、この磁石はちょっときれいにしてから、使わないと、磁石を固定する両面テープの粘着力に影響します。
磁石を固定する両面テープは自分で別途購入して用意する必要があります。
超伝導のリニアモーター実験ではないので誤解しないでくださいね。この値段ですから。