ポセイドン・アドベンチャー (ハヤカワ文庫 NV 161)
ジーン・ハックマン主演の大ヒットしたパニック映画(1972年)の原作。嬉しいことに2006年にはワーナーのリメイク映画(W.ペーターゼン監督、カートラッセル主演)が日本でも見られそうです。(但しリメイク版はクリスチャンを怒らせ無い様にキャラクター設定が全面的に変えられていますが。)
内容紹介が無い様なので、要約すると津波で転覆した豪華客船の乗客達のサバイバル物ですが、かなり通常の冒険アクション物とは異なります。何を信じるかという信仰や信念、どうするべきかという哲学と勇気、また何も決断せずに運を天に任して選択をしないという選択肢など、それぞれの登場人物の価値観や決断力に視点が置かれています。
そして普通のハリウッド映画らしからぬ意外な結末。努力した本人が報われずに日和見の弱虫が生き残るとか不条理な結末は、残酷さと爽快な達成感がごちゃ混ぜになった不思議な読後感を与えます。
映画の方はVHS時代からずっと今もDVDで売り続けているのだから、原作であるこの傑作もいつまでも日本の読者が読めるように残してもらいたい一冊。
ポセイドン・アドベンチャー [VHS]
この映画は、パニック映画としてもなかなかハラハラさせられて面白いが、私は「大学生あたりが見るべき、映画の見方を知る映画」として素晴らしいと思う。
というのも、作った人の影響もあるのかもしれないが、聖書の記述に影響されたと思われるようなシーンがよく見られたのだ。
例えばジーンハックマンが演じる役は神父で、それに付いてくるのは子供、女性、売春婦などである。聖書を全部読んだわけではないがこのような場面は聖書にも見受けられる。またクリスマスツリーに人が登るシーン(なぜ登る必要があったのか、は見て知ってください)も哲学的には重要な意味を持っている。
この映画からは様々なことが学べたと思う。そんなわけで哲学的に見るのもそれはそれで面白い作品であったと思います。
ポセイドン 特別版 [DVD]
ストーリーは、前作と同じなのですが、生き残れる人が違います。
でも、悲しい、寂しい別れはあります。
今風にアレンジされているので、人間ドラマ中心から、たたみ掛けるようなパニックが中心になっています。
時間も90分程度とちょっと短いのですが、充実した感じだと思います。
CGはとても緻密で、すばらしいです。
絢爛豪華な感じも、船のデザインもとてもよかったと思います。
全作を知らなくても充分に楽しめるので、是非お奨めです。
ポセイドン・アドベンチャー (THE POSEIDON ADVENTURE)
37年後とは1973年にキングレコード発売の45回転シングル盤レコード「ポセイドン・アドベンチャー(モーニング・アフター)」FM-1043以来という事です。当時はサントラLPがなく,このEP盤のみでした。今になってサントラ盤が発売になるとは,感慨深いというか,色々な事が思い出されます。
ポセイドン・アドベンチャー【字幕版】 [VHS]
小学生の時生まれて初めて映画館で見た洋画が「タワーリング・インフェルノ」だったのですが、その後にこの映画の存在をテレビで知り「ああもうちょっと早く映画館に行くことに目覚めてればよかった。大スクリーンで見たかった」と思ったものでした。
上下が逆さまになった豪華客船という設定がまずスゴい。
ビックリハウスのような頭がくらくらするような視覚的面白さ、そして「価値観がひっくり返った世の中」を表現しているようで、なにか哲学性まで感じ取れます。観念的な宗教観から逸脱した不良牧師の、野性的なまでにたくましい「生き抜こう」とする姿が印象的。それぞれのドラマを背おった老若男女の多様な人物設定も世の中の縮図を象徴しているようですしって、深読みしすぎでしょうか。
まあそんな難しいことは抜きに、CGでは味わえない、巨大セットの特殊撮影によるスペクタル映像に酔いしれたい方に、ぜひお薦めします。