太陽の癒し タッチングザソウル (5次元文庫)
よしもとばななやウィリアム・レーネンさんが最も信頼を寄せる世界的サイキックヒーラーの書いた推薦の書と帯に記載されていたので、思わず購入してみたが、正直な処余り魅了されなかった。内容は著者の自叙伝的な、スピリチュアルヒーラーに共通している、子供の頃から特殊能力がありながら周囲に理解されず封印し、機が熟してから封印を解き能力を開花していくという話を軸に、私にはこういう能力がありますと次々様々なサイキックメニューを披露していきながら、合間合間に私達へのスピリチュアルメッセージを与えているといった処だろう。メニューが多岐に渡り、やや散漫な感じで深みに欠ける感想を持った。親日家なのは嬉しいし幣立神宮の話や石を巡りダライ・ラマに会いに行ったりのエピソードは大変興味深かった。
巻末のメッセージは横書きで、本文を読み終えた後その流れで読んだら意味が通じず変だなと思ったら、裏表紙の方から読む事が分かりもう一度読み直した。子供向けの絵本の様でこちらも深みを感じられなかった。
恐怖の詩学 ジョン・カーペンター―人間は悪魔にも聖人にもなるんだ (映画作家が自身を語る)
ジョンカーペンターの監督した、さまざまな映画「遊星からの物体X」、「ゼイリブ」、「透明人間」、「ニューヨーク1997」などすべての映画についてのカーペンター自身の考えや映画作成時のエピソードなどが、インタビュー形式で語られている。「X」が興行的には失敗で、映画界を干されそうになったが、「X」は大好きである(そして、干されているときに唯一きた話が「クリスティーンで、原作に思い入れは全くなかったが、生活を維持するために撮った」と言った話や、怪作「マウスオブマッドネス」についての本人の考えなど、カーペンターファンにとっては見逃せない逸話が満載である。カーペンターはその題材から、まじめな映画ファンには、なかなか評価されていないが、映画をエンターティメントとしてとらえてみると、小説におけるクーンツと同様、現代を代表する作家のひとりである。彼の映画をより楽しむためにもご一読をおすすめしたい。