身を捨ててこそ
崩れる日なにおもう―病葉流れて〈3〉の続編で
最後のシーンは、主人公の梨田が商品相場に絡みやくざに脇腹を刺されるという
展開で物語が終わってる実に寂しい終わり方でした
今回の冒頭で一カ月の入院で生き返った主人公の梨田の運の強さを
何かしてくれるのだろうと期待させる始まりでしたが・・・・
大阪で偶然に出会った砂押という人物を中心として物語が展開していく
のですが、淡々と物語が展開するので見せ場と言う見せ場がなかったですね
弁護士と○暴の刑事の仲介で和解した梨田は相場で儲けた金を手にして
大阪から東京に戻るのです
舞台は東京に移ります
砂押の自宅に居候をするのですが、この謎の人物は周りから先生と呼ばれてます
主人公の梨田は「師匠」と呼んで慕ってます
砂押によって紹介された秘密マージャン倶楽部に行くくだりから
いよいよ主人公の梨田の新たなる生きざまが広がって行き、面白い物語の展開を予想させます
前章で登場した女神とも言える存在だった「姫子」とは会うだろうなとは思ったけど
お金を借りていたし当然に返すのだろうと思ったら
会いに行きました、会えば当然二人の関係はなるようにしかなりませんよね
今回でも新たなる恋人と言える女性がやはり登場します
砂押に紹介されていった麻雀倶楽部で手伝っていた19才女子大生の「水穂」
気が強いけれど、すごく妬きもちやきの可愛い女性のようです
あるきっかけから梨田と親密になり、とうとう結ばれるのですが
遊んでいそうなのに水穂は処女で梨田と初体験をするのです・・・・・・・
砂押の紹介で入社することになった広告代理店でサラリーマンの理不尽さと窮屈さを
味わいながら波乱の展開を予想させる梨田は一体どんな行動をするのか?
次回作を期待してます・・・・・・・
竜の道〈上〉 (幻冬舎文庫)
白川 道氏の作品。2009年に刊行されています。
廃品回収業者に拾われた一卵性双生児の竜一と竜二は養父母との地獄の生活から抜け出すために、竜一の身代わりを探し出し、養父母と一緒に燃やしてしまう。ストーリーはここから始まるが、決してヤクザには身を染めずに、ヤクザを利用しながら、裏の社会に君臨しようとする兄弟の戦いが素晴らしい。
最初のステップとして100億円を稼ぎ出すために、株式新聞社をのっとり、投資顧問業まで手を広げるのだが・・・。
間違いなく、続編があると思いますが、今から待ち遠しいです。
流星たちの宴 (新潮文庫)
相場ものとしては清水一行のものより現実感があり、面白いと思います。もう少し身近な作家としては幸田真音がいますが、彼女は相場の実体を知らないのでしょう、白川氏の説得力の比ではありません。ただ、ニューヨークのブラックマンデーの翌朝の東京市場の展開を読者に任せてしまうのには不満です。雅之が破綻することを暗示させますが、推測せよというには事態が大きすぎます。