切腹 [DVD]
1962年当時の日本映画界の活力。それを確認することができる。何度観たことか。時代劇の範疇に入らない。脚本は橋本忍。監督は小林正樹。役者は、その後日本映画界で神として讃えられる者たち総登場。なかでも仲代達矢はこれ以上望めない演技。いや、見事。この作品を1962年に作りあげた人たちに感謝。この作品を観ないで、「時代劇」を語ることは不謹慎。
「竹光で切腹させる」
かような状況に追いやった井伊家の武士たち。
わが娘、わが孫の死。婿を竹光で切腹させた井伊家への異議申し立て。復讐するは我にあり。仲代達矢は29歳。かれの演技が輝く。この作品を早く観ていたら「時代劇」にたいする見方も変わっていたであろう。日本映画で特別扱いすべき作品。リアリズムの極致。この作品を作りあげた日本映画界に誇りを感じる。日本国民、必見の作品。
飢餓海峡 (下巻) (新潮文庫)
知ったきっかけ:東野圭吾の「白夜行」の続編とも言える「幻夜」のあとがきに松本清張「砂の器」とともに紹介されていたことから。
最高のミステリー小説のうちの一冊です。 とんでもない作品です。こんなものを人間が書いたとは思えません。
上記3冊と「ある共通のクレーム」をもちます。 犯人の故郷の描写部分やその母親、過酷な生き様に心から同情するとともに
クライマックスの「人生に尊いものは、真実の心以外にないということを悟ったのです。」 あたりの下りは、
人間の業を思わせる哀しみが見事に綴られており、涙が出そうになりました。
この一人物は、ある人物さえ殺すことさえなければ、不撓不屈の精神をもって立身出世し、善行で過去を償った立派な人物だったのです。
何が正しくて正しくないのか?貧しさとは何なのか、深く考えさせられます。
絶対に読んで損はない、余韻を深く残す作品です。
石川さゆりコンサート2005~歌芝居~ [DVD]
6月にステージを観たのですが、そのときの感動がよみがえりました。
さゆりさんのビデオも持っておりますがDVDは映像・臨場感もすごいです。「石川さゆり」ワールド素敵です。大画面で観ることが出来る方はぜひご覧下さい。さゆりファンのかた必見です。おまけ映像「舞台裏・天城越え3方向映像」他では、観れません。
特選集
「天城越え」「飢餓海峡」「蜩―ひぐらしー」「風の盆恋歌」「津軽海峡・冬景色」など名曲ぞろいです。
特に「飢餓海峡」は石川さゆりさんで一番好きな曲です。アコースティックバージョンも味わい深くて良いですが、やっぱりシングルバージョンが好きです。過剰にドラマチックなイントロや間奏、後奏。はかなげで色っぽい歌声から一気に激しく情念が燃え上がって力強い歌唱を見せるも、そこになお妖艶さと今すぐに壊れてしまいそうな危うさ・弱々しさが垣間見える…すばらしい表現力です。愛する人の爪を大事に持っていて、会いたくなるとその爪を頬に刺す…といった強烈な歌詞もすばらしい。
飢餓海峡【DVD】
映像が凄く暗くて、冒頭からサスペンス・ドラマの匂いが漂っていたが、特に逃亡中の大間から恐山を越えて温泉地の旅館にたどり着くところはなかなか見ごたえがあった。
伴淳三郎が徐々に三国連太郎を追い詰めていくところは、あまりにも単純に追い詰められるところがドラマの時間の制約に尽きるが、どんな犯罪であっても必ず足跡が残っているところを見事に浮き彫りさせているところが凄い。
現代の我々であっても時代を感じさせないで映像にのめり込んで観ることができる
邦画を代表する作品のひとつであることは間違いない。是非、リメイクをお願いしたいものです。